PROTAR 1/9 MV AGUSTA 500cc 4 Cillindri(その3)

バーチャルプロダクション プロターMVアグスタ500cc  -3

前回記事:MV AGUSTA 500cc 4Cil(その2)

高価な絶版プラモデルを恰も買って作ってる気分になれるバーチャルプロダクション。

プロターシリーズ第4弾“その3”は、名車MVアグスタ製作編の最終章です。

今回もイタレリ版の完成写真を参考に載せていきます。

なんせバーチャルなんで少しでもイメージが沸くようにとの主催者側の寛大な配慮からです。

それでは、あまり細かいことは気にせずに、やっていきましょう。

1.Montaggio dell’ammortizzatore posteriore:リヤショックアブソーバーの組み立て

今回最初の工程はリヤのショックアブソーバーと、ギヤケースカバーの組み立てです。

ショックは№.98にスプリングと№.96を通して№.95を接着します。

一見可動式のように見えますが、そうではありません。

塗装は組立て前に行い、色はメッキシルバーとかプレミアムミラークロームを使います。下地にグロスブラックを塗ります。

【参考・イタレリ版】

№.16ギヤケースカバーに№.18、19を取り付け、エンジンと同色で塗ります。

エンジン本体に取り付け、透明のビニールパイプを繋ぎます。

【参考・イタレリ版】

2.Montaggio della forcellaanteriore:フロントホークの組み立て

次はフロントの足回りです。

先ずフロントホークを組み立てます。

塗色は№.68アッパー側をメッキシルバーかプレミアムミラークロームで、№.65と66はジュラルミンシルバーで塗装します。

何れも下地にグロスブラックを塗っておきます。

塗装が済んだら№.65にスプリングを挿入し№.68を入れます。№.66を68の長穴に通して固定します。

№.82フェンダーはグロスブラックで下塗りし、アルミシルバーを塗装して光沢のクリアでコートします。

次にフロントホークにホイールを取り付けます。

№.84と86ブレーキパネルはアルミシルバー、№.83と85はジュラルミンシルバーで塗装し、№.84に83、86に85をそれぞれ取り付けます。

ホイール、ブレーキパネルを№.87プラボルトを通してフロントホークに取り付けます。

プラボルトはジュラルミンシルバーで塗装しておきます。

フェンダーはフロントホークの合間に押し込むように入れてサイドを接着します。

ハンドルグリップはΦ3㎜のゴムチューブを8㎜長に切って差し込みます。

ただのゴムチューブなんで見栄えをよくしたければ、自作するか他のキットから流用するかしないといけません。

ここまで出来たら№.73ステムのサイドにフロントホークを通してセンターはフレームに差し込みます。

この状態で左右のハンドルブラケットをホークに通しておき、№.76メーター用のステーを挟んで№.77トップブリッジをホーク上端に固定します。

ハンドルブラケットはトップブリッジの下面に合わせ、角度を調整して流し込みタイプの接着剤を差して固定します。

塗色はステム、ハンドル、メーター用のステー共にグロスブラックを下塗りして、アルミシルバーで塗装します。

メーターケースはメッキシルバーかプレミアムミラークローム等で塗装し、デカールを張ってレンズを被せてステーに取り付けます。

レンズの固定には接着剤は使用せずエナメル塗料のクリアを使用します。

最後に№.79をアルミシルバーで塗装しトップブリッジのセンターに取り付けます。

【参考:イタレリ版】

とここまでフロント周りの組み立てでしたが一つ懸念事項が・・・

ハンドルのブレーキとクラッチのレバーが上向いちゃってます。

この問題は以前製作したDUCATI750Sportでも発生して、ブラケットから先を切ッとばして角度を修正するという大変面倒なことになりしました。

こちらの記事で紹介しています。

なんでこうなっちゃってるんですかね~、同じ方法で修正するすることにしましょう。バーチャルですけどね・・・

因みに参考写真のイタレリ版では修正はしていません。

3.Montaggio ruota posteriore:リヤホイールの組み立て

今度はリヤホイールの取り付けです。

№.53と55、57はグロスブラックで下塗りして、アルミシルバーを塗装し、№.53とスプロケットを接着し、ホイールに取り付けます。

№.56はジュラルミンシルバーで塗装してブレーキパネルに取り付けます。

つづいてリヤホイールをスイングアームに組み込みます。

先ず№.58と59をジュラルミンシルバーで塗装しておきます。

スプロケットにチェーンを掛けておき、№.58プラボルトを通して反対側を№.59で固定します。

№.47と60はジュラルミンシルバーで塗装して、各々取り付けます。

最後にゴムチューブを42㎜にカットしてブレーキに取り付けます。

4.Montaggio del cofano anteriore:フロントカウルの組み立て

いよいよ大詰め、カウルの製作に入ります。

№.109と110を繋ぎ合わせたら接着面をペーパー掛けして均しておきます。

塗装は先ず赤色用のサーフェーサー、タミヤのファインサーフェーサーオキサイドレッドなどで全体を下塗りします。

下塗りが終わったらイタリアンレッドで全体を塗装し乾燥させます。

次に実車の写真などを見ながら赤の塗装部分をマスキングして、アルミシルバーを塗装します。

説明書では赤い部分をマスキングしていますが、赤の部分は塗装しない想定なのでしょう。

また、デカールは最後の段階で貼るようになっていますが、この段階で貼ってしまって、クリヤ塗装と研ぎ出しなんかを済ませてしまします。

ということで、ゼッケンとロゴのデカールを貼って十分乾燥させて後、光沢のクリヤーを厚めに塗ってこれもまた十分に乾燥させます。

研ぎ出しは#1000位のペーパーを掛け、再度クリヤーを塗装し2回くらい繰り返したらコンパウンドで磨きを掛けます。

5.Montaggio della sede del serbatoio:タンク・シートの組み立て

タンクとシートカウルもフロントカウルと同様に赤用のサーフェーサーを下地に塗装してからイタリアンレッドで塗ります。

タンクの方はデカールを貼ってからクリヤー塗装をします。

タンクキャップはメッキシルバーかプレミアムミラークローム、燃料コックはアルミシルバーで各々塗装しからタンクに取り付けます。

シートはフラットレッドで塗装し、艶消しのクリヤーを吹いて乾燥したらエナメルのブラックを希釈して全体に塗り、すぐに大雑把に拭き取ります。いわゆるウォッシングというやつです。

こうするとシートのしわとか立体感が増します。

【参考:イタレリ版】

6.Installazione del silenziatore:マフラーの取り付け

マフラーは一体成型されていますが、パーティングラインは丹念に処理します。

パーティングラインの処理が済んだら#2000位のペーパーを使って表面を出来るだけ滑らかにしておきます。

表面が荒いとメッキ塗装してもくすんだ感じになってしまいますので、手間暇かけてやっときます。

表面を均したらサーフェーサーを下地に吹いて、グロスブラックで塗装します。

その上からプレミアムミラークロームを厚塗りしないようサッと吹付け一発で仕上げます。

同じところを何度も塗らないようにするのがコツです。

もし青焼けや赤焼けを表現したいときは、エナメル塗料のクリアブルーやクリアオレンジを5~6倍程度に希釈して、薄っすらと部分的に数回吹付けます。

塗装が済んだら取り付けます。

先程のタンク、シートもこの段階で取り付けます。

【参考:イタレリ版】

7.Installazione del cofano anteriore:フロントカウルの取り付け

最後の工程です。

先ず№.46ブレーキペダルをジュラルミンシルバーで塗装して取り付けます。その際ブレーキホースも繋ぎます。

スタンドは色の指定が無いので好きなように塗ればいいと思います。イタレリ版を作った時は赤にしてましたね。

フロントカウルはスクリーンを取り付けてフレームにマウントします。

両サイドをビスで固定します。

スクリーンは接着剤がはみ出ないよう慎重に取り付けますが、心配な場合は両面テープを使うとよいでしょう。

これで組み立て作業は全て完了です。

お疲れ様でした。バーチャルでしたけど・・・

【参考:イタレリ版】

8.まとめ

今回はプロターの1/9スケールMVアグスタをバーチャルプロダクションしてきました。

あの往年の名車ですからね。なかなか手に入らないモノなので気分だけでも味わって頂けたなら幸いです。

やはりプロター製ということで実地で作る際にはかなり手こずりそうな感じがしましたが、一番の懸念事項というか心配なところ、チェーンの組み立てが思ったよりはすんなりイケそうな気が、バーチャルプロダクションを通して分かった気がします。

私はキットを組み立てる際、あまりというか殆ど計画性なくぶっつけ本番でやってしまうんですが、そのためやり直しや計画変更を何度も経験してきました。

仮組なんてほぼしないし、噛み合わせの悪い部品は削ったり埋めたりしてその場その場でやっつけてしまうんですが、やっつけ方が悪くて修正した部品が使用不能になるなど、結構後悔も絶えません。

このバーチャルプロダクションは恰も所有している気分で、作る気分も味わおうという所から始めたわけですが、実地で作る際の情報収集というか準備としても有効なんだなと、このシリーズを紹介しながら思い始めたところです。ま、そうでなきゃ意味ないよね!

みなさんは如何だったでしょうか。

このMVアグスタはプロターを吸収したイタリアの模型メーカーイタレリからも再販されていまして、記事中でも紹介させて頂きましたが、私も2018年頃買って組立てました。

メッキパーツのメッキ落としに苦労したくらいで(漂白剤だけでは落ちず強力なコーティングが施されていていました)、それほど手こずるようなことは無かったように思います。

肝心のチェーンは一体成型モノでした。

その時作った車両の写真を幾つか載せてますが、ほぼこれと同じ出来上がりになるかと思います。

フロントカウルを装着した状態だと妙におもちゃっぽいんですよね~、こんなもんかな・・・

イタレリ版・完成写真

ということで、3回にわたってお送りしてきましたMV AGUSTAバーチャルプロダクション、この辺で終わりにしたいと思います。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

PROTAR 1/9 MV AGUSTA 500cc 4 Cillindri(その2)

バーチャルプロダクション プロターMVアグスタ500cc  -2

前回記事:MV AGUSTA 500cc 4Cil(その1)

高価な絶版プラモデルを恰も買って作ってる気分になれるバーチャルプロダクション。

プロターシリーズの第4弾“その2”はいよいよ製作に入っていきます。バーチャルで・・・

全体的に図が不鮮明で分かりにくい部分もありますが、出来るだけ解読して説明していきたいと思います。

尚、ここではメッキパーツのメッキは落としたという前提で書かせて頂きます。

メッキの落とし方についてはこちらの記事のまとめ欄に記載しています。

1.Montaggio ruote:ホイールの組み立て

最初の工程はホイールの組み立てです。

ホイール部品はパーツチェックで見た通り良好な状態でしたが、スポーク自体の成型が若干太い感じがします。

なので今回も張替えを行います。

使う材料はこのスケールからいって0.4mmのステンレス棒と、内径が0.5mmのアルミパイプで良い気がしますが、ガチっとシャープに見せたいんで、0.3mmのステンレス棒と0.4mm(内径)のアルミパイプにします。

では作業に入ります。

先ずセンターリングに穴を開けます。穴の大きさは0.3mmのステンレス棒を使うのでドリル径は0.4mmを使います。

写真赤丸で印した箇所のみピンバイスを使って穴を開けます。

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スポークは赤い方の線がセンターリングに開けた穴に入り反対側をリムに固定します。

青い方の線はセンターリングの裏側に接着して、赤い線の下を潜る様に通して反対側をリムに固定します。

リムの裏側はスポークが通る位置にヤスリで溝を彫ります。下の写真の黄色で印を付けた箇所です。

あまり彫り過ぎてもダメですが、浅すぎてもダメです。

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穴あけと溝彫りが出来たらステンレス棒を張っていきます。既存のスポークを1/3位切り落とします。

切り落としたところで先ず赤い方の線を張ります。

先端を2㎜ほど折り曲げてセンターリングの表側から穴に入れます。

反対側はリムの裏側に通して、彫ってある溝に収め瞬間接着剤で固定します。

リムからはみ出た部分は切り取ります。

3本程度張ったら今度は青い方の線を張ります。

センターリングの裏側で、先に張った赤い線に被せるようにリングの側面に添え接着します。

反対側は赤い方の線と同じくリムの裏側に接着します。

赤い方の線と青い方の線が互いに交差する順番(上下)を間違えないよう注意します。

イメージ

この作業を1/3位づつ繰り返します。

スポークを張替えたら塗装します。

スポークの部分が金属なのでメタルプライマーで下塗りします。

下塗りしたらジュラルミンシルバーで塗装します。

この時塗料はやや薄めにしてスポーク部分は軽く吹く程度にします。

塗料が濃かったり厚塗りするとスポークにだまだまが出来てしまうので注意します。

2.Montaggio motore:エンジンの組み立て

次はエンジンの組み立てです。

エンジン部品を組み立てます。

2番から4番までを組み立てたら塗装します。

№.25イグニッションコイルはフラットレッドで塗装し、№.17プラグは後で取り付けます。

№.23のパーツだけ色の指定があります。フラットブラックで塗っておき、エンジンの塗装が済んでから取り付けます。

エンジン本体はアルミシルバーにグレーを3:1くらいで混ぜて塗ります。

艶消しのクリアでコートし、乾燥したら墨入れブラックを筆で全体に塗り素早くサッと拭き取って、塗り残しやムラが出ないようにします。

プラグはフラットレッドで塗装します。

エンジン本体に取り付けたらビニールパイプ(赤)をプラグとイグニッションコイル間に接続します。

3.Montaggio carburatore:キャブレターの組み立て

キャブレターは№.33エアファンネルと№.35を除いて組み立てたら、下地にグロスブラックを塗って、その上からジュラルミンシルバーで塗装します。

№.35も同様に塗装しておきます。

エアファンネルはグロスブラックを下塗りして、プレミアムミラークロームで塗装します。

各々塗装が終わったらキャブレター本体に取り付けますが、№.35はΦ4.1㎜のゴムチューブを2㎜の長さに切って間にかませます。

ここまで組んだらエナメルのブラックを5~6倍に希釈して全体に薄く筆塗りして余った塗料を軽く拭きあげます。

最後にエンジン本体に取り付け、ゴムチューブを95㎜にカットして№.45に差し込んでおきます。

※参考に以前作ったイタレリ版の写真を載せておきます。

【参考・イタレリ版】

4.Assemblaggio della catena:チェーンの組み立て

ここから未体験ゾーン(私の場合)

チェーンの組み立てです。

先ずはA~Eの順で進めます。2セット組み立てます。

A:5番と6番のプレートを重ねます。

B:5番のパーツが6番パーツの穴から突き出るようになりますので、突き出た部分を一つ一つ溶接します。

ここで(その1)で紹介した西洋式と線香式の選択を迫られるのでした。

まあどちらでもやり易い方でいいと思いますが、私的にはこれらの方式よりも半田ゴテ方式をお勧めします。

コテは小型のものであまり熱くしないようにするといいと思います。

ここにコメントの記載があるので翻訳してみました。

『それは機能しなければなりません・プラスチックは溶けてはいけません』

「溶接したあと稼働するようにするんだよ!余計なところを溶かすなよ!  」ってことでしょうか。

つづけます。

C:先程Bで溶接したプレートをひっくり返して7番→8番の順で重ねます。

D:B項と同じ要領で一つ一つ溶接します。

ここにもコメントの記載があるので載せておきます。

『溶接鉄はただ熱くなければなりません』

・・・・・なるほど

E:先ずコメントの指示内容からです。

『フレームからチェーンを解放します』

了解!

ということでデザインナイフなんかを使って慎重に、丁寧に切り出します。余計なところを切断しちゃったりしたら目も当てられませんから・・・

E項まで終わったら最後の仕上げです。

F:ここが難解。

2セット作ったチェーンを繋げばいいだけなんですが、図を見ただけではどのように繋ぐのか理解できませんでした。

そこでここにあるコメントを翻訳、

『16のリンクで形成されたチェーンのピース』

尚更分からなくなりました。16のリンクって溶接したタマの数?

数えたら18玉あるんですけど・・・

あとはもう自分の感性を信じて突き進むしかありません。

そう、考えずに感じたままに・・・

って単に各々繋いで溶接すればいいだけでしたね~、見たままじゃん・・・

いい訳ですけど、こんなパーツがあったんでこれを使って繋ぐのかと考え過ぎてしまいました。

待てよ・・・じゃこいつらは何に使うん?

先進めます。

チェーンが組みあがったら塗装します。

クルクル回るものなので下塗りせずに、ジュラルミンシルバーを薄めに塗装して、仕上げに墨入れブラックをササっと塗ります。

何とか出来上がった気分になれました。

まあ実際組み立てるときには差し込む穴が微妙に小さくて入らないとか、予期せぬ難問が待ち受けているんでしょうけど、ここでは深く考えないことにします。

5.Montaggio telaio e forcellone:フレームとスイングアームの組み立て

次はフレームとスイングアームを組み立てていきます。

先ずスイングアームを組み立てます。

下地にグロスブラックを塗ってから、アルミシルバーで塗装します。

フレームは№.44と45をそれぞれ接着したら、スイングアームと同じ色で塗装します。

№.48の遮蔽物のようなモノも同じ色で塗っておきます。

エンジン右側のピニオンギヤに先程苦労して作ったチェーンを掛け、スイングアームとエンジン、№.48を挟むようにフレームを合わせ接着します。

スイングアームは№.61のプラボルトを通して固定しますが、予めジュラルミンシルバーで塗装しておきます。

最後にフレームの合わせ目、フロントホークを取り付ける部分の周りをマスキングしてアルミシルバーを塗装し接着部を均しておきます。

※写真はイタレリ版です。

【参考・イタレリ版】

さて、ここまで工程的には半分終えた感じです。

まだまだ続きがありますが、今回の作業はこの辺で終わりにさせて頂き、残りは次回にしたいと思います。

6.(その2)まとめ

今回はプロターMVアグスタ500㏄4気筒モデルの製作を開始しました。

ホイールの組み立てから始めて、エンジン、キャブレターと進みフレームにエンジンをマウントするところまでを終えました。

最初の工程、ホイールは今回も張り替えを想定した内容になりました。

プラスチック成型だとスポークの細さに限界があり、かといってあまり細すぎても折れてしまう心配があるので仕方がないんでしょうね。

なのでどうしても見栄えをよくしたければスポークの張り替えは避けて通れない道となります。大袈裟か!?

実際ヒジョーに面倒な作業なんで相当な意気込みと根気が必要ですけど、やっちゃえばいいですよーー

幸せになれます。

エンジンの組み立てに関してはそれほど難は無いかなと、ま、実際作ってる訳ではないので正確には言えませんが、以前こいつをリメイクしたと思しきイタレリ社のキットを作った時にはすんなり出来てたと思います。

塗色の方はアルミ系の塗料にグレーを混ぜてと書きましたが、実車の写真なんかを見ながら実際にはもう少し調合の具合を検討するのがいいかも知れません。

写真を見るとほぼグレーな感じにも見えたりします。

あとは未体験ゾーンだったチェーンの組み立て。

イメージでしか組み立ててないですけど、意外とすんなりいけそうな気がしました。

一つ一つ溶接するのも本文で書いたように半田ゴテ方式を採用すればパッパといけちゃうでしょう。

最後の切り出しが神経使いそうですけどね・・・

プロターのこれより古いキットの多くは軟質樹脂でできたチェーンを採用していました。

他メーカーだと通常は一体成型モノが主流ですが、チェーンも動くように作りたいというチャンピオンレーサーだった創業者の拘りが感じられます。

因みにイタレリ版にはこのチェーンはなくオーソドックスな一体成型モノでした。

最後はフレームの組み立てについて。

これも実際組み立ててみないとどんなトラップが仕掛けてあるかわかりませんけど、大雑把な部品なんで特に問題ないかと見ています。

塗装してからエンジンをマウントしますが、どうしても接合した部分が目立ってしまうので後処理は必要です。

接着剤がはみ出ちゃったりしたら塗装も落ちちゃいますしね。

以上、今回のまとめでした。

次回は足回りの組み立てから始めて、タンク、カウル、マフラーと進めて完成の予定です。

お楽しみに!

今回もご覧いただきありがとうございました。

次の記事:MV AGUSTA 500cc 4Cil(その3)

PROTAR 1/9 MV AGUSTA 500cc 4 Cillindri(その1)

バーチャルプロダクション プロターMVアグスタ500cc  -1

高価な絶版プラモデルを恰も買って作ってる気分になれるバーチャルプロダクション。

プロターシリーズの第4弾はあのMVアグスタのキットです。

例によって製作途中や完成時の写真はありませんのでご了承ください。

MVアグスタと言えば1956年から1976年のレース撤退までの間、世界GPで優勝270回、37個のタイトルを数える当時無敵のオートバイでした。

500㏄クラスでは4気筒モデルと’66年頃から3気筒モデルが加わり大活躍したわけですが、今回紹介するのは4気筒モデルの方です。

日本車勢が台頭するまで世界の頂点に君臨し続けたMVアグスタですから、イタリアの模型メーカープロターさんが出さない訳がありません。

因みにこの車両ですが2018年頃同じイタリアのメーカー、イタレリさんからも発売されています。

コレ、私も購入したんですが、プロターキットのリメイク版でした。

イタレリは2003年にプロターを吸収合併していて、かつてのプロター製品を復刻発売しています。

ということで往年のチャンピオンマシン、イタレリ版との違いなんかも紹介しながら作ってみたいと思います。

あ、バーチャルですけどね・・・

今回も説明書に記載されている内容は出来るだけ翻訳して載せていこうと思います。

ただ機械翻訳なんで意味不明な日本語も出てくるかもしれませんが、それはそれでそのままにして楽しんでしまおうということで、いつも通りやっていこうと思います。

(※翻訳した内容は『青字』で記載します)

1.MVアグスタ500㏄キット概要

では早速キットの概要を見ていきましょう。

先ずは説明書の表紙を載せてみたんですが、印刷の感じや図柄なんかがなんとも古めかしいというか時代を感じます。

因みに若干左に傾いているように見えますが、スキャンした時の影響ではなく元の印刷自体がこんな風に傾いていました。

恐らくこれは復刻した時に原紙を斜めに読み取っちゃったんでしょう、きっと。よくあることです。

言い忘れてましたが今回紹介しているキットはオリジナルではなくて復刻版です。

下の方に何やら書いてありますが、字が小さく不鮮明だったので翻訳は諦めました。恐らくパーツの注文とかそのやり方を記載しているようです。

つづいて箱書きの内容です。

『このパックは、1927年から今日までの最も有名なオートバイの世界で最も完全なコレクションである「HIGHQUALITY」シリーズの横にリストされているモデルを区別します。

側面には箱に入っているモデルの写真を再現。

スケールモデルであるため、機能的なヒントを見つけることができます。正確なスケーリングに不可欠です。

最低年齢は14歳です。』

以上のような記載がありました。

機械翻訳なんでちょっと意味が分かりにくいところもありますが、このハイクオリティーシリーズは1927年から今日(当時)までの主要なオートバイをコレクションしたって感じでしょうかね。

対象年齢は14歳以上、フムフム・・・

側面には箱に入っているモデルの写真を再現?

あ~ありました、こんな感じで・・・

箱の側面を見ないと車種が特定できないんですね。

箱の表はこんな感じで何が入っているのか、これを見ただけではわかりません。

恐らくこのハイクオリティーシリーズは全てこんな図柄の箱だったのかと。

箱の側面にはシリーズの一覧が記載されているので、訳文にある『横にリストされているモデル云々…』がこれに該当するってことかな。

こんな感じで載ってます。

クリックで拡大

豊富なラインナップだったんですね。ここに載ってるだけでも49種類あります。日本車も複数載ってます。

元々豊富なラインナップで知られるプロターさんですが、こうして見てみるとバイクだけでもこんなにリリースされてたんですね。

元レーサーで創業者のプロヴィーニさんが如何にバイク好きだったのかと思わずにはいられませんでした。

因みに今回取り上げているMVアグスタは赤枠で括ったところに記載されていました。

この箱絵、斬新といえば斬新ですが、ギラギラ感満載でバイクのプラモデルって感じがしないのは私だけでしょうか?

箱書きに関しては以上ですが、もう一つ私が注目したのは日本語の冊子というか一枚っぺらですが補足説明書が入っていたことです。

昭和のプラモデル全盛期には海外製のプラモデルでも日本語の説明書が入っているものが結構ありましたが、恐らく’90年代後半から2000年前半にかけて発売されたであろうこのキット(正確なところは分かりません)に入っていたのは意外でした。

当時はプロタージャパンという日本法人があり、プロター製品の輸入・販売を行っていたようで、こういったサービスも提供していたんでしょう。

ホームページの記載があったのでアクセスしてみましたが、NOT FOUND でした。当然か・・・

内容は注意書きとプロター製カラーのラインナップ、デカールの貼り方と最後にチェーンの組み立て方です。

プロター製カラーは日本での発売はなかったようです。

デカールの貼り方やチェーンの組み立て方などはこのあと製作偏で詳しく書いてみたいと思います。

以上、概要変でした。

2.プロターMVアグスタ パーツチェック

それでは製作に入る前にパーツのチェックをしていきたいと思います。

初めにタンクとカウル、シート、フェンダー部品です。

ランナーから外れているものはなくいい状態です。

エンジン関係とブレーキパネルです。

こちらも外れた部品等はなく合格です。

フレーム関係ですね、全部揃ってます。

ホイールです。メッキの具合が非常にいいですね。くすんだ感じもなくキラキラしています。

続いてマフラー、フロントホークなど、こちらもメッキの状態は良好です。

こちらはクリアパーツ、フロントのスクリーンとメーターのレンズです。

傷等もなく良い状態です。

これはチェーンですね。珍しい組み立て式です。

この年代の他のシリーズも組み立て式のチェーンが装備されていたのでしょうか!?

持ってないのでわかりませんが相当拘ったつくりですね。

金属製のディテールアップパーツなんかはありますが、プラスチック製でしかも標準装備なんて…

プロターやるな~と思う前に、大丈夫かコレ~?ちゃんと組み立てられるのか~??となってしまうのが悲しい…

ま、製作偏で検証しましょう。ただバーチャルなんでどこまで出来るかはわかりませんが・・・

部品自体は問題ないようです。

最後はタイヤとチューブなど細かいパーツ、デカールです。

デカールは水を使うタイプではなく擦りつけるドライデカールです。

見た目少々くたびれた感じはありますが、使えそうです。

パーツチェックは大きな問題もなく合格です。

3.プロター MV AGUSTA 500 4Cil バーチャル制作(注意事項)

いよいよ製作偏ですが、先ずは注意書きからです。

これも斜めってますが原紙がこんな感じなのでそのまま載せてます。

『モデルを元の色でペイントするには、プロタールの色が不可欠です。

示されたすべてのピースを必ずしもペイントする必要はありません。

最大限の忠実度と独創性を得るためのヒントを提供します。

すべての色は水または特定の薄いARTで希釈されます。 024

より大きな輝きを得るには、透明なアートのコートを塗ることをお勧めします。 023』

これはカラーに関する事柄ですね。プロタールと訳されているのはプロターのことです。プロターの純正カラーが要るよって言ってます。

色を薄めるのに水または024番の溶剤を使うようです。023番はクリアです。

参考までにプロターカラーの一覧を載せておきます。

前に書いた記事(A.J.S.)で紹介した内容です。


利用可能な「protar」製品のリスト

  • 010光沢のある白
  • 011マットホワイト
  • 012光沢のある黒
  • 013マットブラック
  • 014ゴールド
  • 015シルバー
  • 016マグネシウム
  • 017ルノーイエロー
  • 018フェラーリレッド
  • 019マールボロレッド
  • 020ロスマンズブルー
  • 021カワサキグリーン
  • 022赤いフィアット
  • 023透明

次に注意事項です。

『注意。 組み立てを開始する前に、次のヒント、はさみ、先のとがったピンセットを用意してください。

クロムメッキされた部品は、接着される場所で慎重にこすり落とす必要があります。

プラスチックを接着するには、PROTAR GLUE *を使用して、特殊なブラシで薄いベールを広げ、数秒間押し続けてパーツを結合します。

モデルの一部が機能する必要があるため、アスタリスク*が見つかった場所にのみ貼り付けてください。

常に組み立て手順1…2…3に注意深く従ってください。

釘の頭を溶接し、示された部分を軽く押します。』

まあ、一般的な内容なので解説はいらないと思いますが、最後の溶接に関しては日本語の説明とは若干異なります。

原文では釘の頭を熱して対象物を溶かすように指示してますが、日本語版は線香を使う方が西洋式よりヨイと言ってますね。

この線香方式は西洋式と違い直接部品に触れることがないので安心・安全ということでしょう。

西洋式って言い方がいいっす。

~線香~如何にも日本的な発想でプロタージャパンさんに賛辞を贈りたいと思いますが、最近ではあまり線香のある家ってないような気がしてちょっと寂しいです。

つづいてはデカールの貼り方についてです。

『注意水と石鹸』

と真ん中辺りに大きめの字で書いてありますが、石鹸をどう注意するのかよくわかりません。

そのあと細かい説明が書いてありますが、原紙の文字がぼやけていて解読が困難なため翻訳は断念しました。

幸いなことに日本語版に説明が載っていましたので、デカールに関する説明は省かせて頂きます。

最後は金属部品の接着に関してです。

『金属の接着剤

皮膚との接触を避けるために、表面に1滴を塗り、約10秒間そのままにしておきます。

また、使用後は指を接着し、チューブを空中に置いてください。』

ここも原紙の文字が不鮮明で読み解くのに苦労しましたが、なんとなくわかりますかね。

「使用後に指を接着し…」なんてのはどっかスペルを間違えたんでしょう。

あ、マネしないでくださいね。ってする訳ないか・・・

もう一つこの接着剤の項で謎が・・・

説明文の右側(図の一番下)にライターで何かを炙っている画があるんですが翻訳した説明文にはそれらしい記述がないんですよね。

ま、いっか

ってことで注意事項は以上です。

次はいよいよ製作に入りますが、少々長くなってしまったので、続きは次回ということにさせて頂き、このあと今回のまとめに入らせて頂きたいと思います。

4.まとめ

ではまとめましょう。

今回はプロターシリーズ第4弾ということで、往年のチャンピオンマシンMVアグスタ500㏄4気筒モデルを取り上げました。

ハイクオリティーシリーズの11306というコードナンバーを与えられたプロター終末期⁉のキットです。

復刻版でオリジナルはどうだったかわかりませんが、まず名物のフニャフニャゴムパーツ(軟質樹脂の部品で当サイトではこう呼んでいます)の使用はありませんでした。

こいつに触れる部分は経年で溶けてしまうので対策を講じないといけなかったんですが、このキットについてはその心配が無用です。

またチェーンが組み立て式になっていて、ディテールアップパーツが標準装備というところも褒めてあげたいポイントです。

ただ如何せん「まともに組めない」と定評のあるプロターですから(悪意はありません。むしろ好きなところです)一抹の不安は拭い切れないのが正直なところです。

あとは説明書がオリジナルをコピーしただけって感じで、文字が不鮮明なところがいくつもあって、読み取るのに苦労しました。

翻訳自体は機械ですけどね。

とは言え元が古いキットの割にディテールは良いので出来上がりはきっと満足のいくものになるでしょう。

参考にイタレリ版の完成写真を載せようと思います。

ということで、次回その2はホイールの組み立てから入ります。

バーチャルですけど、恰も作ってる気分になれるような内容を目指して書いていきますので、お楽しみに!

ありがとうございました。

次の記事:MV AGUSTA 500cc 4Cil(その2)