バーチャルプロダクション プロターA.J.S 7R -1
高価な絶版プラモデルを恰も買って作ってる気分になれるバーチャルプロダクション。
プロターシリーズの第3弾はA.J.S.7Rというオートバイキットです。
バーチャルなんで製作途中や完成時の写真はありません。ご了承ください。
A.J.S.はイギリスのメーカーですね。”Boy Racer”というネーミングから草レースをイメージしてたんですが、マン島TTレースで多気筒イタリア勢を抑えて優勝したりもしてるんですね。
1948年から1963年まで生産されました。
このキットは箱の感じからプロター第3世代(筆者が勝手にそう呼んでるだけです)のもので、恐らく80年代に発売されていたモノだったと思います。
初版が別にあったのか、なかったのかは調べ切れていませんが判明したら追記していくつもりです。
説明書のタイトルにもう一つ”MATCHLESS G 50 500cc”とも書いてあるんですが、マチレス版も選択できるということでしょうか。
その辺りも仮想製作していく中でわかってくるかと思います。
例によって説明書の記載内容は出来るだけ翻訳して載せていこうと思います。
プロター社の母国イタリア語を機械翻訳し、トンチンカンな訳でも敢えてそのまま載せようということでやっていきたいと思います。
(※翻訳した内容は『青字』で記載します)
それでは早速この車両の概要から初めて行きたいと思います。
1.概要
説明書の概要欄にはA.J.S.とマチレス両方の記載がありますのでどちらか選んで組み立てるのかと思いきや、そうではないようです。
実はこれとは別にマチレスバージョンが存在します。箱絵とデカールが違うだけでそれ以外は共用しています。
うっかりマチレスを選ぶところでした・・・
A.J.S. 7R “Boys Racer” 350cc
『エンジン:4ストローク垂直単気筒』
『排気量:349 cc(ボア75.5 mm-ストローク78mm)』
『分配:チェーン制御付きシングルオーバーヘッドカムシャフト』
『パワー:7750ジン/分で39馬力』
『A.J.S. 1948年にフィリップウォーカーのデザインで誕生した7R350ccの「ボーイレーサー」は、10年余りで500台以上を購入した個人所有者に高く評価されたモーターサイクルでした。
1954年の終わりごろ、バイクの開発はジャックウィリアムズに委託され、ジャックウィリアムズは、アランシェパード(A.J.S.)が1960年にアルスターGPを行った後、MVアグスタの責任者を誘導するなどの競争力をもたらしました。レースで最速のラップを記録し、施行されている規制に完全に準拠しているエンジンの技術的検証を求めて、ジョン・サーティース(現世界チャンピオン)の最終的な成功を目指して戦いました。』
以上がボーイレーサーと呼ばれたA.J.S.7Rの概要を説明した文章の翻訳内容です。
箱書きにも同じ内容のことが書かれていました。
1948年に発売されワークス、プライベート共に活躍したマシンです。
次はマチレス版の説明です。
MATCHLESS G50 500cc
『エンジン:4ストローク垂直単気筒』
『排気量:496 cc(ボア90mm-ストローク78mm)』
『配分:チェーンドライブ付きシングルオーバーヘッドカムシャフト』
『パワー:7200rpmで50馬力』
『MATCHLESS G 50 500 cc、A.J.S。の姉 7R 350 cc「ボーイレーサー」は、1959年からプライベートパイロット向けに製造され、非常に有名なノートンマンクスの代替品として提案されましたが、多くの成功を繰り返すことはできませんでした。』
ま、なんとなくわかるかな。
7Rの姉妹車ってことですね。
AMCが1954年にロードレースの世界から撤退したあと、プライベーター用に7Rの量産版とマチレスのバッジを付けた500㏄版が発売され、1963年まで生産されました。
次はキットの製作に入りますが、その前にパーツ類の確認をしておきます。
欠品や損傷があってはいけないですからね。
2.プロター A.J.S.7R パーツチェック
では早速チェックしていきます。
先ずは外箱。パーツではないですが大事なアイテムの一つですからね。
古い割にはいい状態です。
つづいてシートやフェンダー、ブレーキパネルなど、ランナーから外れてるものがありましたが揃ってます。合格
こちらはタンクとフレームなど、問題なし。
前後ホイールですね。
スポークの成型が細いので張り替えなくてもイケそうです。
マフラーにフロントホークなどのメッキパーツです。
メッキも褪せてるような感じはなく合格です。
エンジン関係のパーツです。
これも問題なし。
出た!名物フニャフニャゴムパーツ。
欠品等はありませんが、チェーンなど代替の難しいもの以外は使用しません。
プロターシリーズの最初の記事でも書いてますが、この軟質樹脂パーツに接触している部分は経年で溶けることがわかっていますので極力使わないようにします。
チェーンなどは代替が難しいので使うとしても接触するスプロケットなどはレジンで換装するなど対策が必要です。
まあ、揃ってるということで合格。
最後はタイヤとクリアパーツ、スプリングとビス類、デカールです。
初期の頃のキットはビスがプラスチック製の部品だったんですが、いつ頃からか鋼製に変わったようです。
デカールも初期のモノは擦り付けて転写するタイプだったのが、この頃には水を使うタイプになっていました。
勿論このデカールはA.J.S.バージョンです。
以上、パーツのチェックは問題なしで合格です。
3.プロター A.J.S.7R バーチャル制作(準備編)
パーツチェックが無事に終わったところで、いよいよバーチャル制作始めていきたいと思います。
説明書の順番に進めていきます。
①Elenco del prodotti “protar” disponibili:利用可能な製品リスト
この項のタイトルは「利用可能な製品リスト」となっていまして、プロター社の販売していたカラーのリストが掲載されています。
『利用可能な「protar」製品のリスト
- 010光沢のある白
- 011マットホワイト
- 012光沢のある黒
- 013マットブラック
- 014ゴールド
- 015シルバー
- 016マグネシウム
- 017ルノーイエロー
- 018フェラーリレッド
- 019マールボロレッド
- 020ロスマンズブルー
- 021カワサキグリーン
- 022赤いフィアット
- 023透明
プロターも塗料の製造販売をしてたんですね。
フェラーリレッドにルノーイエローなんてのがありますね。
カワサキグリーンなんていうのはオートバイキットの草分け的存在だったプロターならではという感じで面白いです。
ページの下側には以下の記載があります。
『注意:苦情が発生した場合は、3文字の郵便料金に相当する値の切手を同封したこの記入済みフォームを送信してください。』
苦情というか欠品や紛失時に部品のオーダーをするためのモノでしょう。
よくあるヤツですね。
ただ、送ってもダメですよ。もうこの会社存在しないんで・・・
②ATTENZIONE:注意
『注意:組み立てを開始する前に、この資料を注意深くお読みください。
モデルの作成に必要なすべての材料(やすり、はさみ、細かい研磨紙、切断ピンセット、プラスチック用パテ、ヘラ、PROTER 050クイックセット接着剤、ドライバーなど)を準備します。
モデルの塗装は、着色が必要なモデルの各コンポーネントの横にある組み立て手順に記載されている「PROTAR」コロンを使用して行う必要があります。
接着段階の前に、接合する部品が互いに一致し、完全にバリ取りされていることを確認してください。
乾いたら、部品の接合部分から接着剤の残留物を取り除きます。
コンポーネントの接着は、棄権*で示された領域でのみ実行する必要があります。
接着剤の配布は、接着剤カウントに付属の専用ブラシを使用して実行する必要があります。
接着剤が適切に固まるまで、接合する部品を軽く押します(数秒)。
クロームメッキされた部分は、接着剤の塗布点で慎重にこすり落とす必要があります。
金属部品の可能な接着については、関連する使用説明書に注意深く従って、市場で入手可能な特定の製品を使用してください。
ケーブルは、パグニアの下部に示されている適切な定規(cm単位)を使用して切断されます。』
以上が機械翻訳した注意事項です。
必要な工具類の説明の中に『PROTER 050クイックセット』とありますが、これなんなんだ?
検索したけどわからなかったので飛ばします。まあ、クイックとあるので作業を素早く進めるための、なにかのアイテムなんでしょう。
以前記事にした初期のプロター製品では必要工具と接着剤に関することくらいしか載ってなかったんですが、この頃のキットになると塗装に関することなど内容が濃くなってますね。
ケーブルなんかはページ下側のスケールで測れるようになっています。
タミヤさんのキットのように一つ一つ長さが書いてあるともっと親切だったんですが、これはこれでいいか。
海外のキットにしては上出来です。
③APPLICAZIONE DECAL:デカールアプリケーション
デカールの貼り方の説明です。
水を使った一般的なものと、対象物に擦り付けるドライタイプの二通りの説明があります。
最初は水を使う方から…
APPLICAZIONE DECAL CON ACQUA:水を使ったデカールアプリケーション
『1)デカールを切り取ります
2)デカールを水に約5秒間浸します
3)吸収性の板紙の上に約15秒間置きます
4)表示された部分にデカールを置き、押して保護紙をスライドさせ、布で作って乾かします。
5)指先で圧力をかけてしわを取り除きます。 大きなひだの場合は、真ん中に切り込みを入れてうなじを押します』
まあ、一般的な内容ですね。
次はドライなタイプです。
APPLICAZIONE DECAL A SECCO:ドライデカールアプリケーション
『1)保護紙をはがし、転写する対象物をカットします
2)理想的な位置を探して、装飾する表面に被写体を近づけます
3)正しい位置を確認し、わずかな圧力で、転送する領域全体に鉛筆を渡します。
4)マスターシートを持ち上げ、指で転写面を押して、しっかりと接着させ、しわを修正します。』
ドライタイプのデカールはこのキットには入っていませんので気にする必要はないですが、初期のモデルだとこればっかりなんですね。
説明にもありますが、貼る位置を正確に決めないといけないので神経使います。
失敗するとやり直しが出来なさそうですから…
④パーツ一覧
次はパーツの一覧です。
パーツ自体は先程チェックしましたので、ここでは詳しく触れませんがなにやら記載がありますので、それだけ翻訳文を載せておきます。
『プライマリドライブチェーン』
図の左下の方に1行だけ書いてあります。(1行というのは各言語で1行づつということです。)
プライマリドライブチェーンはこっちだよという説明のようで、間違えんなよ!というメーカーさんの配慮です。
多分セカンダリのチェーンとは長さが違うので間違えようがないとも思いますが、折角親切にしてくださっているので素直に受け入れます。
ということで、ここまで製作に入るための準備をしてきましたが少々長くなってしまったので続きは次回(その2)で描いていきたいと思います。
最後にまとめをしておきます。
4.まとめ
今回は準備偏ということで、実車両やキットの概要、製作にあたっての注意書きなどを翻訳し掲載してきました。
機械翻訳なんで日本語のおかしなところもあったりしましたが、概ね意味は通じてるかと思います。
まあ、実際作るときは文章なんか分からなくても説明書の画をみればできちゃいますけどね。
でもこういった海外製のプラモデルで意味が分かると尚良いのにな~とは以前から思っていたので楽しみながら苦も無くできました。
「まともに組めない」と評判のプロターキットですが、こいつが上手く組めるようになればスキルが上がったという証にもなります。
ユニークなラインナップも魅力的で、こんなところから今でも熱狂的なファンが多いのではないかと思います。
次回からはいよいよ製作に入ります。面倒を楽しむという心構えで立派な作品に仕上げていきましょう。
といってもバーチャルですがね…
それでは今回もご覧いただき、ありがとうございました。
また次回をお楽しみに!