バーチャルプロダクション プロターMVアグスタ500cc -2
前回記事:MV AGUSTA 500cc 4Cil(その1)
高価な絶版プラモデルを恰も買って作ってる気分になれるバーチャルプロダクション。
プロターシリーズの第4弾“その2”はいよいよ製作に入っていきます。バーチャルで・・・
全体的に図が不鮮明で分かりにくい部分もありますが、出来るだけ解読して説明していきたいと思います。
尚、ここではメッキパーツのメッキは落としたという前提で書かせて頂きます。
メッキの落とし方についてはこちらの記事のまとめ欄に記載しています。
1.Montaggio ruote:ホイールの組み立て
最初の工程はホイールの組み立てです。
ホイール部品はパーツチェックで見た通り良好な状態でしたが、スポーク自体の成型が若干太い感じがします。
なので今回も張替えを行います。
使う材料はこのスケールからいって0.4mmのステンレス棒と、内径が0.5mmのアルミパイプで良い気がしますが、ガチっとシャープに見せたいんで、0.3mmのステンレス棒と0.4mm(内径)のアルミパイプにします。
では作業に入ります。
先ずセンターリングに穴を開けます。穴の大きさは0.3mmのステンレス棒を使うのでドリル径は0.4mmを使います。
写真赤丸で印した箇所のみピンバイスを使って穴を開けます。
スポークは赤い方の線がセンターリングに開けた穴に入り反対側をリムに固定します。
青い方の線はセンターリングの裏側に接着して、赤い線の下を潜る様に通して反対側をリムに固定します。
リムの裏側はスポークが通る位置にヤスリで溝を彫ります。下の写真の黄色で印を付けた箇所です。
あまり彫り過ぎてもダメですが、浅すぎてもダメです。
穴あけと溝彫りが出来たらステンレス棒を張っていきます。既存のスポークを1/3位切り落とします。
切り落としたところで先ず赤い方の線を張ります。
先端を2㎜ほど折り曲げてセンターリングの表側から穴に入れます。
反対側はリムの裏側に通して、彫ってある溝に収め瞬間接着剤で固定します。
リムからはみ出た部分は切り取ります。
3本程度張ったら今度は青い方の線を張ります。
センターリングの裏側で、先に張った赤い線に被せるようにリングの側面に添え接着します。
反対側は赤い方の線と同じくリムの裏側に接着します。
赤い方の線と青い方の線が互いに交差する順番(上下)を間違えないよう注意します。
この作業を1/3位づつ繰り返します。
スポークを張替えたら塗装します。
スポークの部分が金属なのでメタルプライマーで下塗りします。
下塗りしたらジュラルミンシルバーで塗装します。
この時塗料はやや薄めにしてスポーク部分は軽く吹く程度にします。
塗料が濃かったり厚塗りするとスポークにだまだまが出来てしまうので注意します。
2.Montaggio motore:エンジンの組み立て
次はエンジンの組み立てです。
エンジン部品を組み立てます。
2番から4番までを組み立てたら塗装します。
№.25イグニッションコイルはフラットレッドで塗装し、№.17プラグは後で取り付けます。
№.23のパーツだけ色の指定があります。フラットブラックで塗っておき、エンジンの塗装が済んでから取り付けます。
エンジン本体はアルミシルバーにグレーを3:1くらいで混ぜて塗ります。
艶消しのクリアでコートし、乾燥したら墨入れブラックを筆で全体に塗り素早くサッと拭き取って、塗り残しやムラが出ないようにします。
プラグはフラットレッドで塗装します。
エンジン本体に取り付けたらビニールパイプ(赤)をプラグとイグニッションコイル間に接続します。
3.Montaggio carburatore:キャブレターの組み立て
キャブレターは№.33エアファンネルと№.35を除いて組み立てたら、下地にグロスブラックを塗って、その上からジュラルミンシルバーで塗装します。
№.35も同様に塗装しておきます。
エアファンネルはグロスブラックを下塗りして、プレミアムミラークロームで塗装します。
各々塗装が終わったらキャブレター本体に取り付けますが、№.35はΦ4.1㎜のゴムチューブを2㎜の長さに切って間にかませます。
ここまで組んだらエナメルのブラックを5~6倍に希釈して全体に薄く筆塗りして余った塗料を軽く拭きあげます。
最後にエンジン本体に取り付け、ゴムチューブを95㎜にカットして№.45に差し込んでおきます。
※参考に以前作ったイタレリ版の写真を載せておきます。
4.Assemblaggio della catena:チェーンの組み立て
ここから未体験ゾーン(私の場合)
チェーンの組み立てです。
先ずはA~Eの順で進めます。2セット組み立てます。
A:5番と6番のプレートを重ねます。
B:5番のパーツが6番パーツの穴から突き出るようになりますので、突き出た部分を一つ一つ溶接します。
ここで(その1)で紹介した西洋式と線香式の選択を迫られるのでした。
まあどちらでもやり易い方でいいと思いますが、私的にはこれらの方式よりも半田ゴテ方式をお勧めします。
コテは小型のものであまり熱くしないようにするといいと思います。
ここにコメントの記載があるので翻訳してみました。
『それは機能しなければなりません・プラスチックは溶けてはいけません』
「溶接したあと稼働するようにするんだよ!余計なところを溶かすなよ! 」ってことでしょうか。
つづけます。
C:先程Bで溶接したプレートをひっくり返して7番→8番の順で重ねます。
D:B項と同じ要領で一つ一つ溶接します。
ここにもコメントの記載があるので載せておきます。
『溶接鉄はただ熱くなければなりません』
・・・・・なるほど
E:先ずコメントの指示内容からです。
『フレームからチェーンを解放します』
了解!
ということでデザインナイフなんかを使って慎重に、丁寧に切り出します。余計なところを切断しちゃったりしたら目も当てられませんから・・・
E項まで終わったら最後の仕上げです。
F:ここが難解。
2セット作ったチェーンを繋げばいいだけなんですが、図を見ただけではどのように繋ぐのか理解できませんでした。
そこでここにあるコメントを翻訳、
『16のリンクで形成されたチェーンのピース』
尚更分からなくなりました。16のリンクって溶接したタマの数?
数えたら18玉あるんですけど・・・
あとはもう自分の感性を信じて突き進むしかありません。
そう、考えずに感じたままに・・・
って単に各々繋いで溶接すればいいだけでしたね~、見たままじゃん・・・
いい訳ですけど、こんなパーツがあったんでこれを使って繋ぐのかと考え過ぎてしまいました。
待てよ・・・じゃこいつらは何に使うん?
先進めます。
チェーンが組みあがったら塗装します。
クルクル回るものなので下塗りせずに、ジュラルミンシルバーを薄めに塗装して、仕上げに墨入れブラックをササっと塗ります。
何とか出来上がった気分になれました。
まあ実際組み立てるときには差し込む穴が微妙に小さくて入らないとか、予期せぬ難問が待ち受けているんでしょうけど、ここでは深く考えないことにします。
5.Montaggio telaio e forcellone:フレームとスイングアームの組み立て
次はフレームとスイングアームを組み立てていきます。
先ずスイングアームを組み立てます。
下地にグロスブラックを塗ってから、アルミシルバーで塗装します。
フレームは№.44と45をそれぞれ接着したら、スイングアームと同じ色で塗装します。
№.48の遮蔽物のようなモノも同じ色で塗っておきます。
エンジン右側のピニオンギヤに先程苦労して作ったチェーンを掛け、スイングアームとエンジン、№.48を挟むようにフレームを合わせ接着します。
スイングアームは№.61のプラボルトを通して固定しますが、予めジュラルミンシルバーで塗装しておきます。
最後にフレームの合わせ目、フロントホークを取り付ける部分の周りをマスキングしてアルミシルバーを塗装し接着部を均しておきます。
※写真はイタレリ版です。
さて、ここまで工程的には半分終えた感じです。
まだまだ続きがありますが、今回の作業はこの辺で終わりにさせて頂き、残りは次回にしたいと思います。
6.(その2)まとめ
今回はプロターMVアグスタ500㏄4気筒モデルの製作を開始しました。
ホイールの組み立てから始めて、エンジン、キャブレターと進みフレームにエンジンをマウントするところまでを終えました。
最初の工程、ホイールは今回も張り替えを想定した内容になりました。
プラスチック成型だとスポークの細さに限界があり、かといってあまり細すぎても折れてしまう心配があるので仕方がないんでしょうね。
なのでどうしても見栄えをよくしたければスポークの張り替えは避けて通れない道となります。大袈裟か!?
実際ヒジョーに面倒な作業なんで相当な意気込みと根気が必要ですけど、やっちゃえばいいですよーー
幸せになれます。
エンジンの組み立てに関してはそれほど難は無いかなと、ま、実際作ってる訳ではないので正確には言えませんが、以前こいつをリメイクしたと思しきイタレリ社のキットを作った時にはすんなり出来てたと思います。
塗色の方はアルミ系の塗料にグレーを混ぜてと書きましたが、実車の写真なんかを見ながら実際にはもう少し調合の具合を検討するのがいいかも知れません。
写真を見るとほぼグレーな感じにも見えたりします。
あとは未体験ゾーンだったチェーンの組み立て。
イメージでしか組み立ててないですけど、意外とすんなりいけそうな気がしました。
一つ一つ溶接するのも本文で書いたように半田ゴテ方式を採用すればパッパといけちゃうでしょう。
最後の切り出しが神経使いそうですけどね・・・
プロターのこれより古いキットの多くは軟質樹脂でできたチェーンを採用していました。
他メーカーだと通常は一体成型モノが主流ですが、チェーンも動くように作りたいというチャンピオンレーサーだった創業者の拘りが感じられます。
因みにイタレリ版にはこのチェーンはなくオーソドックスな一体成型モノでした。
最後はフレームの組み立てについて。
これも実際組み立ててみないとどんなトラップが仕掛けてあるかわかりませんけど、大雑把な部品なんで特に問題ないかと見ています。
塗装してからエンジンをマウントしますが、どうしても接合した部分が目立ってしまうので後処理は必要です。
接着剤がはみ出ちゃったりしたら塗装も落ちちゃいますしね。
以上、今回のまとめでした。
次回は足回りの組み立てから始めて、タンク、カウル、マフラーと進めて完成の予定です。
お楽しみに!
今回もご覧いただきありがとうございました。