リアルプロダクション第1弾 ホンダNSR500 -1
今回は80年代に2輪ロードレース界で活躍したHONDA NSR500を、タミヤさんから発売されている1/12スケールのキットでつくります。
これ、実に秀悦なキットなんです。
何がというと、精巧で完成度が高いのに作るのはそれほど難しくない。
簡単とは言わないが少しの経験と勇気があれば誰でも素晴らしい作品をつくれる。
さすがタミヤ! ・・・と、思わず叫んでしまう、そんなキットなんですが、説明書に沿って詳しく解説したこの記事を参考にして、あなたも挑戦してみてはいかがでしょう。
第1回目は、フレームとエンジン部分の組立てを紹介していきます。
このキットは1984年に3人のレーサーが使用したマシンから一つ選んで作ることが出来ます。
本稿では当時筆者が好きだったフレディ・スペンサーの乗車モデル(ゼッケン1)を選びました。
他にはゼッケン3:ランディ・マモラ、ゼッケン9:ロン・ハスラムがあります。
それでは早速製作に入ります。説明書の順番通りに進めていきます。
1-1.フレームの組立て [1/12 TAMIYA NSR500]
フレームを組立てます。
パーツを丁寧に切り出して組立てます。パーツ№.B19とB20を合わせる感じで、同じ色に塗装するパーツは全て組立ててしまいます。
パーツ№.C55のイグニッションコイルは後で取り付けます。
フレームが組みあがったら塗装していきます。
先ず最初にTS-14ブラック(光沢のある黒)で全体を塗装します。
最初にブラックを塗る理由はシルバー系の色が映えるからです。下地に黒を塗ることでくっきりと深みのある仕上がりになります。
次にシルバーを塗装していきます。説明書ではTS-30シルバーリーフとなっていましたが、TS-17アルミシルバーで塗装しました。
アルミフレームなんだからこっちじゃね、という個人的な理由からです。作る方のセンスで色決めをしてもらえばよろしいかと思います。
2回重ね塗りをしてから、フレームの先端部分とリヤブレーキのシリンダー部分、両サイドのカウルがマウントされる部分をエナメル塗料のセミグロスブラックを使って塗装します。
こういった細かい塗り分け部分にはエナメル塗料を使います。
エナメル塗料
こんな小瓶に入ったヤツです。タミヤさんから発売されてます。色の種類も豊富。
これだと失敗してはみ出しても乾く前であればうすめ液でサッと拭き取れて無かったことに出来ます。
但し下地がエナメルで塗装されている場合や、塗料の乾燥状態によっては下地の塗装が剥げてしまうことがありますので注意してください。
きちんとマスキングをして塗り分けてもいいですが、筆者は無精者なので上記方式を採用しています。
先端部分とブレーキシリンダーを塗り分けたらパーツ№.55のイグニッションコイルをこちらもセミグロスブラックで塗装してフレームサイドに取り付けます。
最後に組みあがったフレーム全体に半光沢のクリアを吹いて乾燥させます。
クリアはラッカー系を使いますが、エナメルやアクリルといった塗料の上に塗るときは塗料を溶かしてしまうことがありますので注意します。
こういった場合は下地を十分に乾燥させてから、いきなり厚塗りするのではなく、砂吹きといって遠目から薄っすらと吹き付けて、10秒待ってまた吹き付けて、を2回繰り返し下地の塗料が流れ出したりしてないことを確認してから本格的に吹きつけるといいでしょう。
1-2.エンジンの組立て [1/12 TAMIYA NSR500]
次はエンジンの組立てです。
①シリンダー・クランケースの組立て、塗装
A、B、C、と3つのシリンダーを組立てますが、Aのみ2個作ります。
つづいてクランクケースを組立て、シリンダーとパーツ№.C15、C18のクランクケースカバーを取り付けます。
ここまで組立てたらセミグロスブラックで塗装します。
②プラグ・ラジエターホース・デュストロビューターの塗装、取付
パーツ№.A11(プラグ)とB34(ラジエターホース)、B26(デスビ)はそれぞれ塗装しておきます。
プラグはスカイブルーで塗装し乾いたら端っこをエナメルのシルバーでチョンチョンと塗っておきます。
ラジエターホースは先ずセミグロスブラックで全体を塗装し、エナメルのシルバー、フラットブラックの順で塗り分けていきます。
今更ですが、これまでエナメルと表記したもの以外はラッカー系または、アクリル系の塗料です。
デスビは説明書だとフラットアルミにコッパーで塗装するようになっていますが、これだと金属の質感がイマイチなので、まず全体をグロスブラックで塗ってからクレオスのメッキシルバーやガイアノーツのミラークロームなどキラキラしたやつで塗装します。その後ローター部分にエナメルのクリアオレンジを塗り、更に光沢のクリアーを吹いて最後にタミヤの墨入れ塗料《ブラック》(以下墨入れブラック)か、エナメルのブラックを3~4倍に希釈してローター周りに筆を使って差しておきます。
墨入れ塗料(ブラック)
予め希釈されたエナメル塗料です。黒以外にグレー、茶色などがあります
こうすることで断然見栄えが良くなります。塗装は薄くするのがポイントです。細かい部品なので厚く塗ってしまうとディテールを損なう恐れがあるので注意しましょう。
③キャブレターの組立て、塗装
キャブレターはパーツ№.C19、C65を除いて組立てたら一旦グロスブラックで塗装しメッキシルバーかミラークロームを薄く吹き付けます。乾燥したらデスビ同様、墨入れブラックか、エナメルのブラックを希釈したもので薄く筆塗りしておきます。
説明書ではブロンズで塗るよう指示されていますが、こちらの方がリアルな雰囲気がでます。
パーツ№.C19、C65はフラットアルミで塗装し、半光沢のクリアを吹いて乾燥したらエナメルのブラックを希釈したものを軽く塗ってキャブレター本体に取り付けます。
パーツ№.B47クラッチも説明書ではメタリックグレーで塗装するようになっていますが、こちらも一旦グロスブラックで塗装したあとメッキシルバーかミラークロームで薄く塗装し、乾いたらエナメルのブラックを希釈して軽く筆塗りします。
パーツ№.C14クランクケースカバーはセミグロスブラックで塗装し、ボルト部分にエナメルのシルバーを差します。
最後にビニールパイプをそれぞれの長さに切って取り付けます。
これでエンジン部分の完成です。
今気付いたんですが、上の写真ではデスビの配色が逆でしたね・・・ローター部分がオレンジになるのが正解です。
1-3.主なパーツの塗装レシピ(その1)
主なパーツに使用したカラーを塗装した順番で記載しています。
※筆塗りと書いているもの以外は全てエアブラシ、またはスプレー缶を使用しています。
◆フレーム
①タミヤTSー14ブラック
②タミヤTSー17アルミシルバー
③タミヤLP-5セミグロスブラック(フレーム先端部分)
④GSIクレオスMr.スーパークリア半光沢
◆イグニッションコイル
①タミヤLP-5セミグロスブラック
◆エンジン本体
①タミヤLP-5セミグロスブラック
◆キャブレター
①タミヤTSー14ブラック
②ガイアノーツ プレミアムミラークローム
③タミヤ墨入れ塗料 ブラック 《全体を全体を筆塗り》
◆デュストロビューター
①タミヤTSー14ブラック
②ガイアノーツ プレミアムミラークローム
③タミヤⅩー26クリヤオレンジ(エナメル)≪ローター部分を筆塗り≫
④タミヤ墨入れ塗料 ブラック 《ローター部を除いて筆塗り》
1-4.今回のポイント
・同じ色に塗るパーツは出来るだけ組み立ててから塗装する。
・キャブ、デスビなどはグロスブラック⇒メッキシルバー等の順で塗装し、墨入れブラックや希釈したエナメルのブラックを筆でサッと塗ると金属の質感が増す。
・細かいパーツの塗り分けにはエナメル塗料を使う。
こんなところでしょうか
さて、フレームとエンジンが出来上がりましたので次はフレームにエンジンをマウントし、チャンバーの組立てに入りますが、少々長くなってしまったので今回はここまでにしてつづきは第2回目としてまた書いていきたいと思います。
それでは次回をお楽しみに・・・・