PROTAR 1/9 A.J.S. 7R Boy Racer(その3)

バーチャルプロダクション プロターA.J.S 7R  -3

前回記事:A.J.S. 7R Boy Racer(その2)

高価な絶版プラモデルを恰も買って作ってる気分になれるバーチャルプロダクションのプロターシリーズ第3弾A.J.S.7R(その3)始めていきます。

今回は最終回となる予定です。

前回はエンジンをフレームにマウントするところまで行いましたが、今回は足回りからスタートです。

尚、本項でもメッキパーツについてはメッキを落とした前提で記載しています。

では早速作業を開始します。

1.Montaggio gruppo ammortizzatori posteriori:リヤショックアブソーバーアセンブリ

リヤショックを組み立てます。

№.48と57はグロスブラックを下地に塗ってシルバーで塗装します。

№.12はグロスブラックで塗装します。

各々塗装したらスプリングを№.48と57で挟むようにして取り付け、№.12をスプリングの位置まで被せます。

Φ1.4×4のビスでショックの上側をフレームに、下側をスイングアームに固定します。

№.10のステップはグロスブラックで塗装してフレームに取り付けます。

因みにこの項では注意書きのようなものはありませんでした。

2.Montaggio gruppo ammortizzatori anteriori:フロントショックアブソーバーの組み立て

今度はフロントショックを組み立てます。

№.5、39、42~44と55、56はグロスブラックで下塗りしてジュラルミンシルバーで塗装します。

№.18はグロスブラックで塗装します。

ハンドルのグリップ㉔と㉕は例の軟質樹脂パーツなので使用は避けて、型を取ってレジンで作り変えます。

組み立ては先ず№.42(左は43)に№.5を当て№.44を被せるように通して№.42(左は43)に接着します。

№.44の筒の中にスプリングを入れその上から№.18を被せます。

ハンドルを№.5の突き出た部分に接着し№.18と39をフレームに挟んでΦ2.5×18のビスで固定します。

ちょっと分かりずらいので構成を図示してみました。正面から見た図です。

わかりますかね・・・ひとまず次へ

最後に№.70をグロスブラック⇒ジュラルミンシルバーで塗装し取り付けます。

3.Montaggio ruote:ホイールアセンブリ

ホイールを組み立てます。

最初に注意書きを載せておきます。

『重要:タイヤをリムに取り付ける前に、リムの部品が完全に接着されていることを確認してください。』

『3.00-19(Ruota anteriore):前輪』『3.25-18(Routa posteriore):後輪』

タイヤ装着時の注意と前輪・後輪のタイヤサイズの記載ですね、了解しました!

さて、最近私はスポークホイールを見ると無性に張替えをしたくなってしまいます。

地道でとても面倒な作業ですが完成した時の悦びは言いようのないものだからです。

しかしこのキットのように細く出来の好いものもあり、迷うこともあります。

実は今その迷いの中にいます・・・

そして今決断しました。このまま行こう・・・

ということで、そうですね折角プロターさんがいいモノ作ってくれたので張り替えはせずにこのまま組み立てます。

先ず前輪から、№.13どうし、8と17どうしを接着してからセミグロスブラックで塗装します。

№.14、29、31と113はジュラルミンシルバーで塗装します。下地にグロスブラックを塗っておきます。

塗装が乾いたら各パーツを説明図に従って重ね合わせ接着します。

後輪も№.13どうし、8と17どうしを接着してからセミグロスブラックで塗装します。

№.29~32と59は下地にグロスブラックを塗ってからジュラルミンシルバーで塗装します。

前輪と同様塗装が乾いたら各パーツを説明図に従って重ね合わせ接着します。

4.Montaggio ruota anteriore – gruppo freno:前輪の組み立て-ブレーキユニット

前輪をフロントホークに組み込みます。

ここでも最初に注意書きを載せておきます。

『重要:ホイールはシート内で自由に回転する必要があります。』

まあ、そうですよね、タイヤなんだから・・・

先ず各パーツを塗装します。

№.26フェンダーはグロスブラックで塗装し、光沢のクリヤーでコートして乾燥させます。

十分乾燥させたら#1000位のペーパーを掛け再度光沢クリヤーを吹いてもう1回くらいは研ぎ出しをします。

最後のクリヤーを吹いたら半日程度置いてコンパウンドで磨きます。

№.38、52、61はジュラルミンシルバーで、№.50と53はアルミシルバーで塗装します。何れも下地にグロスブラックを塗装します。

№.24ブレーキパネルはフラットブラックで塗装します。

各々塗装が完了したら組み立てていきます。

ブレーキパネルに取り付けた№.50と53には墨入れブラックをを薄く塗っておくときっといい感じになります。

最後にゴムチューブをそれぞれ繋ぎます。

5.Montaggio ruota posteriore – gruppo freno:後輪アセンブリ-ブレーキユニット

後輪をスイングアームに組み込みます。

先ずは注意書きから・・・

『重要:ホイールはシート内で自由に回転する必要があります。』

前項と同じですね。そのようにします。

ブレーキワイヤーがA.J.S.版とマチレス版で違うので注意します。

№.25ブレーキパネルはフラットブラックで塗装します。

№.51又は69はジュラルミンシルバー、それ以外のパーツはアルミシルバーで塗装します。下地のブラックを忘れずに!

塗装が済んだらホイールにブレーキパネルを取り付け、Φ2×26のビスでホイールと両サイドのアジャスター(№.67、114)を通してスイングアームに組み込みます。

最後に他の細かいパーツを取り付けます。

6.Montaggio serbatoio (A.J.S.):タンクアセンブリ(A.J.S.)

ここでタンクの組み立てをします。

タンクはA.J.S.版とマチレス版の両方載ってます。

この項はA.J.S.版の説明になります。

A.J.S.版は更に標準タンクと大容量タンクの2種類から選んで組み立てるようになっていますが、違いが分かりません。

図の上段が標準タンク、下段が大容量タンクの説明になってるんですけど、どう見ても両方同じだよね。

何が違うんでしょうね?

ま、取り敢えず標準タンクってことで進めます。

№.21と28を接着してグロスブラックで塗装します。

デカールを貼って十分乾燥させ光沢のクリヤーを厚めに吹きますが、初めは砂吹きを数回繰り返してデカールに影響がないようなら厚めに吹いていきます。

夏場なら3日、冬場は1週間は乾燥させて研ぎ出しをします。

#1000位のペーパーを掛けクリヤーを吹いて、を2~3回繰り返し、最後のクリヤーを吹いたら半日おいてコンパウンドで磨きます。

№.74と91はフラットアルミ、ジュラルミンシルバーで塗装します。何れも下地にグロスブラックを塗っておきます。

塗装が完了したら各々組み立てます。

最後にゴムチューブを3本繋ぎます。

長さは説明図にそれぞれ記載されているのでそれに合わせて切って繋げます。

ここで注意書きを載せておきます。

『重要:タンクをフレームに固定した後、このケーブルをキャブレターの下に通して取り付けます』

このケーブルとなっているのはこの項の全てのケーブルのことです。

7.Montaggio serbatoio (MATCHLESS):タンクアセンブリ(マチレス)

こちらはマチレス版タンクの組み立てです。

一応載せときます。

マチレス版は大容量タンクのみとなっています。

まあ、標準タンクと何が違うのか相変わらずわかりませんが・・・

A.J.S.版との違いはデカールだけなので細かい説明は割愛します。

8.Montaggio cupolino e strumentazione:フロントガラスと計装アセンブリ

カウルとメーターパネルを組み立てます。

№.19カウルはグロスブラックで塗装します。

デカールをA.J.S.版、マチレス版どちらか選んで貼り付け、光沢のクリアでコートし、2~3回研ぎ出しをして仕上げます。

№.16メーターパネルをフラットブラックで塗装し、メーターケースの周りをマスキングしてジュラルミンシルバーで塗装します。

デカールを貼って№.103クリアパーツを被せますが、接着剤は使わず代わりにエナメル塗料のクリヤを使います。

スクリーンは接着剤のはみ出しに注意して取り付けます。

最後にゴムチューブをメーターパネルに繋げます。

9.Montaggio finale – applicazione decal:最終組み立て-デカールアプリケーション

いよいよ最後の工程です。

ゼッケンプレートはグロスブラックで塗装し、デカールを貼り付けたあとカウルと同じ要領で研ぎ出しをしてサイドカバーに取り付けます。

№.36はグロスブラックを下地に塗ってジュラルミンシルバーで塗装し、トップブリッジに取り付けます。

スタンドは組み立ててからグロスブラック、シートはセミグロスブラックで塗装し半光沢のクリアでコートします。

シートを取り付け、スタンドに車両を乗せて完了です。

10.まとめ

無事完成できました。

無事と言ってもバーチャルなんで失敗もくそもないんですが、でもこうしてシミュレーションしてみるとキットの癖みたいなものがわかって来て、実際の組み立ての際には準備と対策と心構えが事が出来るので、結果無事に完成するってことですよ。(注:大きめに言ってます)

さてこのキットについてですが、先ず説明書の内容が初期のプロター製品に比べると格段に進歩していました。

このシリーズの第1弾、第2弾で取り上げたキットの説明書なんかは、画が手書きのような感じのもので、微妙な取り付け位置なんかが分かりづらく、そのためか文字で説明しているところがやたらとあって、しかも外国語で読めないと来ていましたから、説明文の読めない私のような日本人にとっては格段に良くなっていました。

パーツの精度はどうでしょうか。これは実際作ってみないと何とも言えませんが、見た目には第1、第2世代のモノより良くなっているように思います。

よく箱絵だけ変えて中身は昔のまんまの型で作られてるキットがありますが、こいつに関してはランナーの部品番号の表示が鮮明でパーティングラインのところの大きなバリなどはほぼ無く以前の使い回し的な感じはありませんでした。

とはいってもプロターなんで油断は禁物です。

フロント、リヤのショックアブソーバーの組み立ては結構手こずりそうですし、例のフニャフニャゴムパーツ対策もしないといけないので、やはりある程度は覚悟を決めて臨む必要があるかと思います。

そんな訳でもしこのA.J.S.7Rに挑戦する機会がありましたら、この記事を参考に励んでみてください。

それでは3回にわたってお送りしてきましたプロターA.J.S.7Rの回、この辺で終わりにしたいと思います。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

PROTAR 1/9 A.J.S. 7R Boy Racer(その2)

バーチャルプロダクション プロターA.J.S 7R  -2

前回記事:A.J.S. 7R Boy Racer(その1)

高価な絶版プラモデルを恰も買って作ってる気分になれるバーチャルプロダクション、プロターシリーズ第3弾A.J.S.7R(その2)、今回はいよいよ製作偏です。

それでは早速始めていきたいと思います。

と、その前にメッキパーツについて書いておきます。

前回その1でパーツチェックをした際にメッキパーツの状態いついては問題なかったのでそのまま使ってもいいかと思いましたが、筆者のこだわりとしてはやはりメッキを落として再塗装することを推奨します。

ランナーから切り出した部分の処理とか面倒ですしね…

ということで、ここではメッキパーツはメッキを落とした状態を前提に話を進めていきます。

メッキの落とし方は最後のまとめのところで書いておきます。

では、始めます。

1.Montaggio cilindro e testata:シリンダーとヘッドのアセンブリ

先ずはエンジンの組み立てからです。

空冷エンジンのフィンを重ねるようにして組み立てる方式です。

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16個のパーツを重ねて№.15で刺し通すように組み立てます。

ここでの注意点は№.11のパーツを№.95に付けてから上の部分を被せていくようにすることです。

先に上まで重ねてしまうと取り付けが困難になります。きっと・・・

ここまで組み上げたらヘッド部分のパーツを取り付け、№.105にゴムチューブを差し込みます。

で、ゴムチューブですが例の軟質樹脂部品なのでこれは使わずタミヤなんかの社外品を使うようにします。

塗装についての指示はなくパーツ自体に塗り分けがしてあるので、そのままで塗る必要ないよ、ということなんでしょうがカッコよく仕上げるためにはやはり塗らない訳にはいきません。

組みあがったら全体をグロスブラックで塗装し、その上からアルミシルバーにグレーを少し混ぜて塗装します。

ヘッドの部分はゴールで塗装します。

何れも半光沢のクリヤーでコートして十分乾燥させた後、墨入れブラックを筆で塗り付け直ぐに軽く拭きあげておきます。

フィンの間などに薄く色を付けることで立体感が湧きます。

2.Montaggio propulsore:スラスターアセンブリ

ここではスラスターアセンブリと訳されていますが、クランケースのことでしょう。

多くの場合クランクケースとギアボックスは一体となっていてクランクの回転運動(動力)を歯車を使って伝達しますが、この車両はクランクとギヤをチェーンを使って伝達します。

なんかこれだと素人目にロスが大きいような気がしますが、当時はまだまだ発展途上でこれも一つの試みだったんでしょうね、きっと・・・

そのためクランクケースとギヤボックスが完全に分離されています。

なのでここでは訳のとおりスラスター(推進装置)と呼ぶことにします。

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で、スラスターの組み立てですが№.108と109、106と111をそれぞれ組んだらお互いを接着し細かいパーツ№.89、90、97を各々取り付け、シリンダーヘッドと同じゴールドで塗装しておきます。

カムチェーンのカバー№.106にA.J.S.かマチレスのマーク何れかを選んで貼り付けます。

この時点でどちらか選んでおかないといけないですね。

№.7と75はシルバーで塗装しスラスターの後部に取り付けます。

ここまで出来たら全体を半光沢クリヤーでコートして、乾いたらエナメルのブラックを7~8倍に希釈したものを筆で全体にサっと塗り垂れた部分を拭き取ります。

そのあとボルトの部分をエナメルのシルバーで差すように塗っておきます。

№.9と34ピニオンギヤはシルバーで塗装しΦ1.4×6のビスで取り付けます。

№.37と87、88キャブレターは組み立てたらジュラルミンシルバーで塗装しクリヤコートはせずに墨入れブラックを薄~く塗ってエンジンに取り付けます。

最後にシリンダーとスラスターを接着しゴムチューブを各々繋ぎます。

今更ですがこのセクションの注意書きがありましたので載せときます。

『注意:ピニオンはシート内で自由に回転する必要があります』

ビスで留めたピニオンギヤは回転するように締めすぎに注意します。ってとこかな・・・

3.Montaggio trasmissione primaria e cambio:一次トランスミッションとギアボックスアセンブリ

次はトランスミッション、ギヤボックス、マフラーを組み立てます。

先ずはギヤボックスから、№.62と81、82を組立て塗装します。

下地にグロスブラックを塗ってから、アルミシルバーにグレーを混ぜて塗装し、艶消しクリヤーでコートします。

№.33ピニオンギヤと№.35、41、71クラッチ板はジュラルミンシルバーで塗装しておき、ピニオンギヤにセカンダリ側ドライブチェーンを掛けてΦ1.4×6のビスで取り付けます。

そのあとピニオンギヤに被せるようにクラッチ板を取り付けます。

エンジンとギヤボックスを繋ぐフレームというかステー(№.45、47)はグロスブラックで下塗りしてからシルバーで塗装し前方をエンジンを挟むように取り付け、ギヤボックスを中間あたりにぶら下げるように組み込みます。

マフラーはランナーから切り出したら#1000⇒#2000の順でペーパー掛けをし表面を滑らかにします。

下地にサーフェーサーを吹いてグロスブラックで塗装した上にガイアノーツのプレミアムミラークロームなんかで塗装してキラキラにします。

塗装が終わったら№.65を挟んで取り付けます。

№.72シフトペダルはシルバーで塗装しギヤボックスに取り付けます。

最後にゴムチューブ⑬と㉒を各々付けて、プライマリドライブチェーンをスラスターとギヤボックス間に掛けます。

ここでの注意事項も前項と同じで、

『注意:ピニオンはシート内で自由に回転する必要があります』

となっているのでピニオンギヤが回転するように注意します。

ま、回転するようにしておいてもこのゴムチェーンって大抵歯車と上手くかみ合わないので回すと外れちゃうんですけどね。

動く状態になってることが肝心なんで・・・

では次に進みます。

4.Montaggio telaio e propulsore:フレームとエンジンアセンブリ

今度はエンジン、スイングアームをフレームにマウントします。

最初にここでの注意書きを載せておきます。

『重要:金属部品は研磨紙で洗浄し、亜鉛クロメートの層でコーティングし、光沢のある黒の「Protar012」で塗装する必要があります。』

金属部品とありますが、見たところビス以外にはなさそうな・・・

これまでにもビスは出てきていましたが、なんのことでしょう?

Φ2×24㎜の長いビスのことを言ってるのかな~きっと・・・

ならばこのビスを黒で塗ればいいってことで、先ずは軽くペーパーを掛けてプライマーを吹いておきます。

私はこんなのをよく使っています。

プライマーで下塗りしたらあまり時間をおかずにグロスブラックを塗装します。

これはこれで良しとして先に進めます。

ようやくというかこの項から色の指定が入ってます。

スイングアームとフレームに[012光沢のある黒]を塗れとのことです。

そのようにします。

フレームの塗装が済んだらエンジンを挟むようにして下側をビスで留めます。

スイングアームは№.3、4を接着してからグロスブラックを塗装してΦ2×24の長めのビスでフレームに組み込みます。

№.22と27は何かのタンクかと思いましたが実車の写真を見るとサイドカバーのようにも見えますし、最終的にはここにゼッケンプレートが付くんですよね。

ま、いっか・・・この二つをくっつけてグロスブラックで塗装したあとフレームに取り付けます。

№.58のチェーンカバーはグロスブラックで下塗りしてジュラルミンシルバーで塗装しフレームに取り付けます。

あとはゴムチューブを社外品で取り付けてこのセクションは終わりです。

ここまでエンジンの組み立てとフレームのマウントまでを完了しました。

さて、キリがいいので今回はこの辺で終わりにさせて頂き、今回のまとめで締めたいと思います。

つづきは(その2)で書いていこうと思います。

5.まとめ

今回は製作偏ということでエンジン、スラスターの組み立てからギヤボックス、フレームへの組み込みまでを行いました。

ま、バーチャルなんですんなり進めてこれてますが、実際作り始めたらあれが合わないこうしないとまともにつかないなど、色々難問が出てくるんでしょうね~、なんせプロターですから。

でも、世代の古いキットに比べれば説明書の内容は格段に良くなっていまして、戸惑いを感じることはなくなりました。

このシリーズでも紹介しているBMWやラベルダのキットは説明書が文字だらけで図を見ただけでは分からいところもありましたが、この辺は大分解消されています。

しかしプロターということもありますので、この辺りは実際に作ってみてどうだったかというところをいつか記事にしてリアルプロダクションの方に載せたいと思います。

いつになるかわかりませんが・・・

最後に冒頭で書いたメッキパーツのメッキの落とし方を紹介しておきます。

家庭用の漂白剤を使います。

水を張ったバケツに漂白剤を適量入れてメッキパーツを漬けておくだけです。

適量ってのはだいたいで、バケツならキャップ2~3杯ってとこですかね。

2~3時間で落ちる場合もあれば、もっと掛かる場合もあります。

また、時々コーティングをしてあるものがありますので、その場合は予めラッカー系のシンナーでコート剤を落とす必要があります。

漂白剤の使用時は十分に換気をするなど注意も必要です。

さて、次回は足回りの組み立てから始めます。

お楽しみに!

今回もご覧いただきありがとうございました。

次の記事:A.J.S. 7R Boy Racer(その3)

PROTAR 1/9 A.J.S. 7R Boy Racer(その1)

バーチャルプロダクション プロターA.J.S 7R  -1

高価な絶版プラモデルを恰も買って作ってる気分になれるバーチャルプロダクション。

プロターシリーズの第3弾はA.J.S.7Rというオートバイキットです。

バーチャルなんで製作途中や完成時の写真はありません。ご了承ください。

A.J.S.はイギリスのメーカーですね。”Boy Racer”というネーミングから草レースをイメージしてたんですが、マン島TTレースで多気筒イタリア勢を抑えて優勝したりもしてるんですね。

1948年から1963年まで生産されました。

このキットは箱の感じからプロター第3世代(筆者が勝手にそう呼んでるだけです)のもので、恐らく80年代に発売されていたモノだったと思います。

初版が別にあったのか、なかったのかは調べ切れていませんが判明したら追記していくつもりです。

説明書のタイトルにもう一つ”MATCHLESS G 50 500cc”とも書いてあるんですが、マチレス版も選択できるということでしょうか。

その辺りも仮想製作していく中でわかってくるかと思います。

例によって説明書の記載内容は出来るだけ翻訳して載せていこうと思います。

プロター社の母国イタリア語を機械翻訳し、トンチンカンな訳でも敢えてそのまま載せようということでやっていきたいと思います。

(※翻訳した内容は『青字』で記載します)

それでは早速この車両の概要から初めて行きたいと思います。

1.概要

説明書の概要欄にはA.J.S.とマチレス両方の記載がありますのでどちらか選んで組み立てるのかと思いきや、そうではないようです。

実はこれとは別にマチレスバージョンが存在します。箱絵とデカールが違うだけでそれ以外は共用しています。

うっかりマチレスを選ぶところでした・・・

クリックで拡大

A.J.S. 7R “Boys Racer” 350cc

『エンジン:4ストローク垂直単気筒』

『排気量:349 cc(ボア75.5 mm-ストローク78mm)』

『分配:チェーン制御付きシングルオーバーヘッドカムシャフト』

『パワー:7750ジン/分で39馬力』

『A.J.S. 1948年にフィリップウォーカーのデザインで誕生した7R350ccの「ボーイレーサー」は、10年余りで500台以上を購入した個人所有者に高く評価されたモーターサイクルでした。

1954年の終わりごろ、バイクの開発はジャックウィリアムズに委託され、ジャックウィリアムズは、アランシェパード(A.J.S.)が1960年にアルスターGPを行った後、MVアグスタの責任者を誘導するなどの競争力をもたらしました。レースで最速のラップを記録し、施行されている規制に完全に準拠しているエンジンの技術的検証を求めて、ジョン・サーティース(現世界チャンピオン)の最終的な成功を目指して戦いました。』

以上がボーイレーサーと呼ばれたA.J.S.7Rの概要を説明した文章の翻訳内容です。

箱書きにも同じ内容のことが書かれていました。

1948年に発売されワークス、プライベート共に活躍したマシンです。

次はマチレス版の説明です。

MATCHLESS G50 500cc

『エンジン:4ストローク垂直単気筒』

『排気量:496 cc(ボア90mm-ストローク78mm)』

『配分:チェーンドライブ付きシングルオーバーヘッドカムシャフト』

『パワー:7200rpmで50馬力』

『MATCHLESS G 50 500 cc、A.J.S。の姉 7R 350 cc「ボーイレーサー」は、1959年からプライベートパイロット向けに製造され、非常に有名なノートンマンクスの代替品として提案されましたが、多くの成功を繰り返すことはできませんでした。』

ま、なんとなくわかるかな。

7Rの姉妹車ってことですね。

AMCが1954年にロードレースの世界から撤退したあと、プライベーター用に7Rの量産版とマチレスのバッジを付けた500㏄版が発売され、1963年まで生産されました。

次はキットの製作に入りますが、その前にパーツ類の確認をしておきます。

欠品や損傷があってはいけないですからね。

2.プロター A.J.S.7R パーツチェック

では早速チェックしていきます。

先ずは外箱。パーツではないですが大事なアイテムの一つですからね。

古い割にはいい状態です。

つづいてシートやフェンダー、ブレーキパネルなど、ランナーから外れてるものがありましたが揃ってます。合格

こちらはタンクとフレームなど、問題なし。

前後ホイールですね。

スポークの成型が細いので張り替えなくてもイケそうです。

マフラーにフロントホークなどのメッキパーツです。

メッキも褪せてるような感じはなく合格です。

エンジン関係のパーツです。

これも問題なし。

出た!名物フニャフニャゴムパーツ。

欠品等はありませんが、チェーンなど代替の難しいもの以外は使用しません。

プロターシリーズの最初の記事でも書いてますが、この軟質樹脂パーツに接触している部分は経年で溶けることがわかっていますので極力使わないようにします。

チェーンなどは代替が難しいので使うとしても接触するスプロケットなどはレジンで換装するなど対策が必要です。

まあ、揃ってるということで合格。

最後はタイヤとクリアパーツ、スプリングとビス類、デカールです。

初期の頃のキットはビスがプラスチック製の部品だったんですが、いつ頃からか鋼製に変わったようです。

デカールも初期のモノは擦り付けて転写するタイプだったのが、この頃には水を使うタイプになっていました。

勿論このデカールはA.J.S.バージョンです。

以上、パーツのチェックは問題なしで合格です。

3.プロター A.J.S.7R バーチャル制作(準備編)

パーツチェックが無事に終わったところで、いよいよバーチャル制作始めていきたいと思います。

説明書の順番に進めていきます。

①Elenco del prodotti “protar” disponibili:利用可能な製品リスト

この項のタイトルは「利用可能な製品リスト」となっていまして、プロター社の販売していたカラーのリストが掲載されています。

『利用可能な「protar」製品のリスト

  • 010光沢のある白
  • 011マットホワイト
  • 012光沢のある黒
  • 013マットブラック
  • 014ゴールド
  • 015シルバー
  • 016マグネシウム
  • 017ルノーイエロー
  • 018フェラーリレッド
  • 019マールボロレッド
  • 020ロスマンズブルー
  • 021カワサキグリーン
  • 022赤いフィアット
  • 023透明

プロターも塗料の製造販売をしてたんですね。

フェラーリレッドにルノーイエローなんてのがありますね。

カワサキグリーンなんていうのはオートバイキットの草分け的存在だったプロターならではという感じで面白いです。

ページの下側には以下の記載があります。

『注意:苦情が発生した場合は、3文字の郵便料金に相当する値の切手を同封したこの記入済みフォームを送信してください。』

苦情というか欠品や紛失時に部品のオーダーをするためのモノでしょう。

よくあるヤツですね。

ただ、送ってもダメですよ。もうこの会社存在しないんで・・・

②ATTENZIONE:注意

『注意:組み立てを開始する前に、この資料を注意深くお読みください。

モデルの作成に必要なすべての材料(やすり、はさみ、細かい研磨紙、切断ピンセット、プラスチック用パテ、ヘラ、PROTER 050クイックセット接着剤、ドライバーなど)を準備します。

モデルの塗装は、着色が必要なモデルの各コンポーネントの横にある組み立て手順に記載されている「PROTAR」コロンを使用して行う必要があります。

接着段階の前に、接合する部品が互いに一致し、完全にバリ取りされていることを確認してください。

乾いたら、部品の接合部分から接着剤の残留物を取り除きます。

コンポーネントの接着は、棄権*で示された領域でのみ実行する必要があります。

接着剤の配布は、接着剤カウントに付属の専用ブラシを使用して実行する必要があります。

接着剤が適切に固まるまで、接合する部品を軽く押します(数秒)。

クロームメッキされた部分は、接着剤の塗布点で慎重にこすり落とす必要があります。

金属部品の可能な接着については、関連する使用説明書に注意深く従って、市場で入手可能な特定の製品を使用してください。

ケーブルは、パグニアの下部に示されている適切な定規(cm単位)を使用して切断されます。』

以上が機械翻訳した注意事項です。

必要な工具類の説明の中に『PROTER 050クイックセット』とありますが、これなんなんだ?

検索したけどわからなかったので飛ばします。まあ、クイックとあるので作業を素早く進めるための、なにかのアイテムなんでしょう。

以前記事にした初期のプロター製品では必要工具と接着剤に関することくらいしか載ってなかったんですが、この頃のキットになると塗装に関することなど内容が濃くなってますね。

ケーブルなんかはページ下側のスケールで測れるようになっています。

タミヤさんのキットのように一つ一つ長さが書いてあるともっと親切だったんですが、これはこれでいいか。

海外のキットにしては上出来です。

③APPLICAZIONE DECAL:デカールアプリケーション

デカールの貼り方の説明です。

水を使った一般的なものと、対象物に擦り付けるドライタイプの二通りの説明があります。

最初は水を使う方から…

APPLICAZIONE DECAL CON ACQUA:水を使ったデカールアプリケーション

『1)デカールを切り取ります

2)デカールを水に約5秒間浸します

3)吸収性の板紙の上に約15秒間置きます

4)表示された部分にデカールを置き、押して保護紙をスライドさせ、布で作って乾かします。

5)指先で圧力をかけてしわを取り除きます。 大きなひだの場合は、真ん中に切り込みを入れてうなじを押します』

まあ、一般的な内容ですね。

次はドライなタイプです。

APPLICAZIONE DECAL A SECCO:ドライデカールアプリケーション

『1)保護紙をはがし、転写する対象物をカットします

2)理想的な位置を探して、装飾する表面に被写体を近づけます

3)正しい位置を確認し、わずかな圧力で、転送する領域全体に鉛筆を渡します。

4)マスターシートを持ち上げ、指で転写面を押して、しっかりと接着させ、しわを修正します。』

ドライタイプのデカールはこのキットには入っていませんので気にする必要はないですが、初期のモデルだとこればっかりなんですね。

説明にもありますが、貼る位置を正確に決めないといけないので神経使います。

失敗するとやり直しが出来なさそうですから…

④パーツ一覧

次はパーツの一覧です。

パーツ自体は先程チェックしましたので、ここでは詳しく触れませんがなにやら記載がありますので、それだけ翻訳文を載せておきます。

『プライマリドライブチェーン』

図の左下の方に1行だけ書いてあります。(1行というのは各言語で1行づつということです。)

プライマリドライブチェーンはこっちだよという説明のようで、間違えんなよ!というメーカーさんの配慮です。

多分セカンダリのチェーンとは長さが違うので間違えようがないとも思いますが、折角親切にしてくださっているので素直に受け入れます。

ということで、ここまで製作に入るための準備をしてきましたが少々長くなってしまったので続きは次回(その2)で描いていきたいと思います。

最後にまとめをしておきます。

4.まとめ

今回は準備偏ということで、実車両やキットの概要、製作にあたっての注意書きなどを翻訳し掲載してきました。

機械翻訳なんで日本語のおかしなところもあったりしましたが、概ね意味は通じてるかと思います。

まあ、実際作るときは文章なんか分からなくても説明書の画をみればできちゃいますけどね。

でもこういった海外製のプラモデルで意味が分かると尚良いのにな~とは以前から思っていたので楽しみながら苦も無くできました。

「まともに組めない」と評判のプロターキットですが、こいつが上手く組めるようになればスキルが上がったという証にもなります。

ユニークなラインナップも魅力的で、こんなところから今でも熱狂的なファンが多いのではないかと思います。

次回からはいよいよ製作に入ります。面倒を楽しむという心構えで立派な作品に仕上げていきましょう。

といってもバーチャルですがね…

それでは今回もご覧いただき、ありがとうございました。

また次回をお楽しみに!

次の記事:A.J.S. 7R Boy Racer(その2)