リアルプロダクション第3弾 ドゥカティ750スポーツ -1
オートバイキットリアルプロダクション、第3弾はプロター社のキットを製作します。
プロターのキットといえば最初に頭に浮かぶのが独特なラインナップでしょう。
凡そ日本のメーカではリリースされないような車種が揃っていて興味をそそられます。
しかしキット自体は「まともに組めない」などと言われ、完成させるにはある程度の経験と知識が必要になります。
手間が掛かり、時間も掛かりますが上手く完成できた時の喜びは計り知れない。そんなところから今でも多くの熱狂的なファンがいるのでしょう。
その独特なラインナップの中から今回製作するのはDUCATI 750Sportです。
ドゥカティのモデルはタミヤやイタレリなどから数種類出ていますが、この750Sportはプロターのキット以外では見たことがありません。
ユニークなキットだと思います。
さて、前置きはこの辺にして早速始めていきたいと思います。
説明書に沿って、また説明書の内容は出来るだけ翻訳して掲載しながら進めていきたいと思います。
と言ってもこの説明書は以前記事にしたバーチャルプロダクション第1弾のBMWとは違って文章自体はそれほどありませんでした。
そんな訳で字数は少ないですが複数の言語で記載されている文章のうちイタリア語を自動翻訳して青字の『 』括りで掲載します。
変な日本語になってもそのまま掲載し、これはこれで楽しんで頂ければと思います。
「まともに組めないプロターのキット」・・・いったいどんな試練が待ち受けているのでしょうか。
1-1.attenzione:注意書き
先ずは注意書きを翻訳してみました。
『組み立てを開始する前に、薄いヤスリ、はさみ、先のとがったピンセットを使用してください。
クロームメッキされた部品は、接着される場所で注意深くこすり落とす必要があります。
接着剤は、キシレンまたはベンゼン、またはプラスチックの場合はマスチックでなければなりません。
モデルは元の色で作られています。
モデルのより良い結果を得たい場合は、着色された部分に透明なプラスチックペイントのコート(ブラシストローク)を適用することをお勧めします。
色が復活し、モデルがほこりから保護されます。
お好みの色で塗装することで、ネジなどのパーツを目立たせることができます。
アスタリスク*が付いている部分は接着する必要があります。マークのない部分を接着しないように十分注意してください。』
ここは意味通じますよね。
日本のメーカーも大体同じようなことが書いてあります。
次にデカールの貼り方です。
『1)保護紙をはがし、転写する対象物をカットしてください
2)被写体を装飾する面に近づけて、理想的な位置を探します。
3)正しい位置を確認し、転写する部分全体に軽い圧力で鉛筆を渡します。
4)マスターシートを持ち上げ、指で転写面を押してしっかりと接着させ、しわを修正します。』
こちらも難しい内容ではないですが、転写式のデカールなので一度貼ってしまうと位置の修正が難しいです。
てか、無理です。
訳文にも書いてありますが、よくよく位置を確認して転写するようにしましょう。
1-2.Montaggio ruote:ホイールの組み立て
最初の工程はホイールの組み立てです。
今回はメッキを落としてスポークを張替えることにします。組立てはそのあとです。
1-2.(1)メッキを落とす
先ずメッキを落とします。ホイールだけではなくその他のメッキパーツも全て落とします。
やり方はバケツに水を張り漂白剤を適量入れてメッキパーツを浸します。
フツーはこれできれいさっぱりメッキが落ちるんですが、このキットの場合メッキパーツになにやらコーティングしてあるようで何時間経っても落ちませんでした。
このような場合はラッカー系のシンナーに浸けて筆でゴシゴシしてから漂白剤に浸けるようにします。
ちょっと面倒でしたがなんとか落ちました。
1-2.(2)スポークを張替える
メッキを落としたらスポークを張替えます。
古いキットのわりにはそのままでもイケそうな細さでしたが、ここは折角なんで張り替えます。
面倒な作業ですが完成した時の出来栄えと喜びは計り知れません。
先ずはスポークの太さを決めます。今回は0.3mmのステンレス棒と0.4mmのアルミパイプを使用します。
1/9スケールなんでちょっと細いかなという気もしましたが、シャープな出来上がりを期待してこれでいくことにします。
では始めます。
先ずホイールに穴を開ける位置を確認します。
写真の白〇で記したところに穴を開けます。ちょっとわかりにくいかも知れませんが、スポークには表と裏があり写真の赤い線を表、白い線を裏とします。
表の赤い方の線はホイールリングの表側からリムの裏側へ入ります。裏の白い方の線はホイールリングの裏側からリムの裏側へ入ります。
なので表のスポークはホイールリングの穴に差込み、裏のスポークはホイールリングの裏側に接着するので穴は開けなくてもよいのです。白〇の部分のみピンバイスを使って穴を開けます。
因みに作例では裏のスポーク用にも穴を開けています。
よく考えずに開けてしまったので裏から表へ出たところでカットして切断面を均すなど手間が掛かりました。
なので表のスポークだけ穴に通す方が手間が省けて見た目も良いと思います。
それでは穴を開けていきます。0.3mmのステンレス棒を使うのでドリル径は0.4mmにします。
穴を開けたら既存のスポークを1/3程切り取って、ステンレス棒を張っていきます。
ホイールを裏から見た写真です。
表のスポーク(赤い線)は先端を2㎜くらい折り曲げて表側から差込みもう一方をリムの裏側で切断し瞬間接着剤で固定します。
裏のスポーク(白い線)はホイールリングの裏側に接着してもう一方をリムの裏側で切断し瞬間接着剤で固定します。
1/3位づつ張替えていきます。
1-2.(3)ホイールの組み立て・塗装
スポークを貼り終えたら組立てます。
説明書の通りにフロント、リヤそれぞれ左右のホイールを張り合わせます。
フロント、リヤそれぞれ左右のホイールを貼り合わせたら塗装していきます。
先ずスポーク部分にメタルプライマー塗布し、全体をグロスブラックで塗装します。
グロスブラックを塗装したらリムを両サイドから被せるように組付けます。
リムの組み付けが終わったら全体をジュラルミンシルバーで塗装し乾燥させます。
タイヤを履かせてホイールの組み立ては完了です。
1-3.Montaggio motore:エンジンの組み立て
エンジンの組み立てに入ります。
シリンダーブロックとクランケースを組み立てます。
シリンダーブロックは前後があるので注意します。
つづけてシリンダーヘッド、ベベルギヤケースを組み立てます。
シリンダーヘッドをシリンダーブロックに取り付け、ベベルギヤケース共にグロスブラックで塗装します。
エンジン本体はアルミシルバーにライトグレーを少し混ぜたものを塗装し、半光沢クリヤーでコートします。
乾いたらエナメルのブラックを薄めて全体にサッと筆で塗り付け、直後にざっと拭き取ります。
そのあとクリヤオレンジを薄めてクランケース下部に軽く吹きつけておきます。
ベベルギヤケースはセミグロスブラックで塗装したあと、半光沢のクリアでコートしボルト部分をエナメルのシルバーで差してエンジン本体に取り付けます。
次はキャブレター、クランケースカバー、ギヤトレインを組み立てます。
キャブレターは前方側をパーツ№.4-20と2-43、45、後方側をパーツ№.4-19と2-42、44で組みグロスブラックで塗装したあとアルミシルバーで塗装し、艶消しのクリヤーでコートします。
最後にエナメルのブラックを10倍程度に薄めてササっと筆塗しておきます。
クランケースカバーはグロスブラックで塗装したあとロゴの書いてある部分を残してマスキングをし、ジュラルミンシルバーで塗装します。
塗装が乾いたら半光沢のクリアでコートし、仕上げにロゴの部分に墨入れブラックを差します。
各々エンジン本体に取り付けます。
1-4.Assemblaggio del telaio:フレームの組み立て
フレームを組み立てます。
№.5-21に№.5-7を取り付け、№.5-34と35で挟むように接着し、サーフェーサーを吹きつけて下地を整え全体をグロスブラックで塗装します。
フェンダーは塗装してからフレームに取り付けます。
サーフェーサーで下地を整えたらボディと同じ色で塗装し光沢クリヤーでコートします。
ボディカラーは初めMr.カラーのキャラクターイエローを使用しましたが、薄い感じがしたのでタミヤのキャメルイエローを使用しました。
フェンダーは前方の突起をフレームの間に挟むように入れ、後ろ側はフレームのエンド部分の突起に差し込み固定します。
この時フレームエンドの突起が簡単に折れてしまい固定が上手くできなくなってしまいました。
そこでフレームの突起があったところにピンバイスで穴をあけ真鍮の棒を切って差し込みフェンダーを固定することにしました。(写真の赤く〇した部分)
折れやすいので初めからこの方法で対策しておいた方がいいかも知れません。
№.2-31ホーンはグロスブラック⇒ジュラルミンシルバーの順で塗装し、墨入れブラックを差して№.5-7に取り付けます。
ということで、ちょっと長くなってしまったので1回目の作業はここで終わりにして、塗装のレシピと今回のポイントを紹介して締めたいと思います。
1-5.塗装レシピ
主なパーツに使用したカラーを塗装した順番で記載しています。
※筆塗りと書いているもの以外は全てエアブラシ、またはスプレー缶を使用しています。
ホイール
- ①タミヤTSー14ブラック
- ②GSIクレオスSM208スーパージュラルミン
エンジン
- ①タミヤTSー14ブラック
- ②タミヤLPー70アルミシルバー + LPー34ライトグレー(5:1)
- ③GSIクレオスMr.スーパークリア半光沢
- ④タミヤ墨入れ塗料 ブラック
- ⑤タミヤⅩー26クリヤオレンジ(エナメル)
ベベルギヤケース
- ①タミヤLP-5セミグロスブラック
- ②GSIクレオスMr.スーパークリア半光沢
- ③ガイアノーツ ピンポイントシルバー《ボルト部分》
キャブレター
- ①タミヤLP-1ブラック
- ②タミヤLPー70アルミシルバー
- ③GSIクレオスMr.スーパークリア艶消し
- ④タミヤXー18セミグロスブラック(エナメル・10倍程度に希釈)《筆塗り》
クランクケースカバー
- ①タミヤLP-1ブラック
- ②GSIクレオスSM208スーパージュラルミン《名盤部分のみ》
- ③GSIクレオスMr.スーパークリア半光沢
- ④タミヤ墨入れ塗料 ブラック《名盤部分のみ》
フレーム
- ①タミヤスーパーサーフェイサー
- ②タミヤTSー14ブラック
フェンダー
- ①タミヤスーパーサーフェイサー
- ②タミヤTS-34キャメルイエロー
- ③GSIクレオスMr.スーパークリア光沢
ホーン
- ①タミヤLP-1ブラック
- ②GSIクレオスSM208スーパージュラルミン
- ③タミヤ墨入れ塗料 ブラック《筆塗り》
1-6.今回のポイント
今回はホイール、エンジン、フレームの組み立てまで完了しました。
ここで簡単に今回のお浚いをしておこうと思います。
先ず最初の工程、ホイールの組み立てについて、
本編でも紹介してきましたがスポークホイールはスポークの張替えをお勧めします。
地道でとても面倒な作業ですが出来上がりの満足感は格別なものになります。
特にこういった古いキットであれば気合も入りますので、そのノリでやってしまえばどうってことないです。
出来るか出来ないかではなくて、やるかやらないかの違いだけです。
エラソーにすいません。私も初めは誤ってスポークを折ってしまいやむにやまれずやることになったんですが、やってみたら時間は掛かりましたけど出来上がった時の達成感というか喜びは一入でした。
ということで、ぜひ挑戦してみてください。
次にエンジン周りですけど、古い車両なので経年で色褪せた感じを出そうと思いましてアルミ系の色でただ塗るのではなくグレイを混ぜて塗装し、仕上げにクリヤーオレンジで汚れ具合を醸し出してみました。
こういったところはプロの技には到底及びませんが、この程度でもそれなりに雰囲気が出せると思います。
今回のポイントとしてはこんなところでしょうか。
「まともに組めない!」と噂のプロター製のプラモデルでしたが、ここまでのところは大きな問題もなく進めてこれてます。
次回はエンジンのマウント、足回りの組み立てに入ります。
お楽しみに!
ありがとうございました。