Kawasaki 750RS ZⅡ ナガノ 1/8 製作(その1)

リアルプロダクション第4弾 カワサキ750RS(ZⅡ) -1

オートバイキットリアルプロダクション、第4弾はナガノのキットを製作します。

このナガノという会社は、昭和42年(1967年)にプラモデルの製作を開始した模型メーカーで、オートバイや自動車のキットを製造・販売していました。

1/8スケールのオートバイシリーズには、他メーカーにはない珍しい車種もあり、正に和製プロターと呼べるんじゃないかと思います。

その1/8シリーズの中から今回製作するのは、ZⅡ(ゼッツー)の愛称で連載漫画にも登場し、今でも絶大な人気を誇るカワサキ750RSです。

実車もさることながら、このキットも人気が高くオークションでは高値で取引されていることが多く見受けられます。

そんな和製プロター「ナガノ」のキット、まともに組めないと評判だったプロターとの違いは有るのか無いのか、こんなところも見ながら製作していきたいと思います。

では早速始めていきます。

1-1.注意書き

組み立ての前に注意事項を確認しときましょう。

前回のプロターと違って翻訳の必要はないですね、説明書の表紙に書いてあるんで目を通しておきましょう。

部品の一覧も載せておきます。

赤く括った部品はメッキパーツになりますが、メッキパーツは以降メッキを落とした前提で話を進めます。

メッキの落とし方はこちらを参考にしてください。

それでは始めていきたいと思います。

1-2.エンジンの組み立て

エンジンを組み立てます。

シリンダーブロックとクランクケースを組み立てますが、それぞれを組み立てたら塗装します。

パーツ№.H-10~13とE-2、E-4は先に塗装してから取り付けます。

このキットは色の指示がないんですよね~、なので実車の写真とか見ながら色を決めていきます。

シリンダーブロックとクランクケースはセミグロスブラックで塗ります。

シリンダーブロックは写真を見ると、冷却用のフィンの先端部分のみシルバーになっているので、ここを何とかします。

あまり手間を掛けたくなかったので、というかいつものようにただ不精なだけですけど、今回やった方法はフィン以外のところをマスキングして、ラッカー系のシルバーをフィンに対して斜めの角度からエアブラシでササっと吹き付けて、乾いたらフィンとフィンの間にエナメルの黒を流して、表面をサッと噴き上げるという手法です。

大雑把でテキトーなやり方でしたけど、それなりの出来になりました。

パーツ№.H-10~13とE-2、E-4は下地にグロスブラックを塗ってから、シルバーで塗装して各々取り付けます。

キャブレターは、№.C-1~C-8とC-30は先にアルミ系の色で塗っておき、それ以外の部品を組み立てセミグロスブラックで塗装してから、取り付けます。

組み立てたら、キャブレター本体にエナメルのブラックを薄めてサッと塗っておきます。

クランクケースにシリンダーブロックを取り付けます。

1-3.キャブレター、プラグ他取り付け

パーツ№.E-1とE-3はグロスブラック⇒シルバーの順で、№.B-9はセミグロスブラックで塗装して取り付けます。

パーツ№.E-8とE-13はグロスブラックを下地に塗って、メッキ系のシルバーで塗装し取り付けます。

プラグはランナーから外さずにグロスブラックで塗装します。

次に中間の窪んだ部分にエナメルの白を差すように塗ります。

乾いたら窪んだ部分から上をマスキングしてシルバーで塗装します。

コードを繋いでシリンダーヘッドに取り付けます。

最後に前項で組み立てたキャブレターを取り付ければ、エンジン本体は完成です。

1-4.フレームの組み立て

つぎはフレームを組み立てます。

下地にサーフェーサー(グレー)を塗って、グロスブラックで塗装し、半光沢のクリヤーでコートします。

パーツ№.D-32スタンドも同様に塗っておきます。

乾いたらエンジンを挟むように取り付けます。

フレーム前後の接合部分は、いかにもここを接着したって感じになるので、ペーパーで均して上塗りします。

エンジンをマスキングしてグロスブラックを塗装し、最後に半光沢のクリヤーでコートします。

ダイソーのレシートでマスキングしました。

エンジンをフレームにマウントするところまで終わりましたが、ここまではすんなりときました。

エンジンはパーツ点数も少なくて、組み立てもし易かったです。

どこぞのメーカーさんとは違って、古くても流石日本製だな~と思いました。

1-5.ホイールの組み立て

さて、ここから面倒な作業に入ります。

この車両はご覧のとおりスポークホイールなんですが、このキットのスポークはやや太いし、出来栄えを重視して張り替えます。

今回用意する材料は、0.6mmのステンレス棒と0.8mmのアルミパイプです。

もうちょっと細くてもいい気もしますが、0.6mmでいきます。

アルミパイプはステンレス棒より0.1mm~0.2mm太いサイズにします。

では先ず貼り方を検討します。

写真の赤い線が外側、青い線が内側になります。

赤い線のスポークがホイールリングに入る所、赤丸部分で印した箇所にピンバイスを使って0.7mmの穴を開けます。

前輪、後輪とも左右同じように外側のスポークが入る部分のみ、穴を開けます。

次にリムの裏側にスポークを通す溝を彫ります。

三角のヤスリなどを使って外側、内側両方のスポークに沿って溝を彫ります。

スポークの方向に合わせて彫るのがポイントです。

穴あけと、溝彫りが出来たらステンレス棒にアルミパイプを通して、アルミパイプを2㎜程度の長さに切っていきます。

普通のカッターで切ると刃がすぐにボロボロになってしまうので、デザインナイフを使うのがいいでしょう。

デザインナイフも惜しみなく刃を替えて鋭く切る様にします。

今度はこのステンレス棒を張っていくわけですが、先ず既存のスポークを1/3位切り取ります。

一度に全部切るような愚かな真似はしないように。中心が合わなくなってしまいます。

切り取った箇所にステンレス棒を表側、裏側と貼っていきます。

順番として表3本を張って、裏3本張るみたいな感じで3本位づつまとめて貼っていくとやり易いでしょう。

表側のスポークは先端を2㎜位折り曲げて、ホイールリングに開けた穴に入れ、もう片方を彫った溝に通します。

この時2㎜程度に切ったアルミパイプが根元に来るようにします。

余った部分を切断して、瞬間接着剤で固定します。

裏側のスポークはホイールリングの裏に当てて接着し、もう片方は表側と同様に溝に通して接着し、余った部分を切断します。

この作業を地道に繰り返し全て張り替えます。

張り替えが終わったら塗装していきます。

大抵はシルバー系の色一色で済むんですが、このZⅡさんはホイールリングの外側が黒になってるんですよね。

しかもこの部分にスポークの外側を差し込んであるので、塗り分けが実に面倒臭い。

先に塗ってからスポーク張り替えればいいじゃん。って思ったもんですが、よく考えると先に塗ったとしても既存のスポークを切った跡が残っちゃうし、全部切る訳にはいかないし・・・

で、なんとか塗り分けを考慮しながら塗っていきます。

先ずはステンレス棒にプライマーを吹付けますが、ここはステンレス棒だけでなく全体に塗っちゃっても構いません。

つぎにグロスブラックで塗装して、その上からMr.カラーのスーパージュラルミンで塗装します。

ステンレス棒の部分がダマダマにならないよう、塗料は薄めにして2~3回吹付けます。

ここまで塗装したら問題の部分を塗り分けます。

一応写真の赤丸部分にマスキングをしたらいいかな~とも思ったんですが、私はやりませんでした。

エナメルの黒を薄めにして筆で流し込むように塗っていきます。

そうすると毛細血管現象とかいうやつで、うまくスポークの部分を避けてくれます。

中心円の塗り分けしたい部分は丁度段差があるので、これもクリアできました。

ただこうなることを考慮せず、スポークを切った跡をルーターで無造作にガリガリやってしまったので、中心側の円の段差を一部凸凹にしてしまいました。

お陰で毛細血管現象使っても綺麗に塗り分けが出来ませんでした。後悔・・・

この塗り分けは前輪だけで、しかも片側はブレーキディスクでうまく隠れるので、あまり気にしないことにします。

それよりもスポークを張り替えた満足感で一杯です。

どうです?シャープになったでしょ。

面倒な作業で手間と時間が掛かりますが、やっただけの満足感は得られます。

是非やってみましょう。ということで、長かったホイールの組み立ては終わりです。

さて、ここまで終われば後はなんとでもなるでしょう。一番難しいと思われる工程でしたから。

ということで、少々長くなってしまったので今回の作業はここで終わりにして、塗装のレシピと、まとめで締めさせて頂きます。

1-6.塗装レシピ

主なパーツに使用したカラーを塗装した順番で記載しています。

※筆塗りと書いているもの以外は全てエアブラシ、またはスプレー缶を使用しています。

シリンダーブロック・クランクケース

  • ①タミヤLP-5セミグロスブラック
  • ②GSIクレオスSM208スーパージュラルミン《冷却フィン部分のみ》
  • ③タミヤXー18セミグロスブラック(エナメル)《フィンとフィンの間に筆塗り》

オイルキャップ・フィルターケース

  • ①タミヤTSー14ブラック
  • ②ガイアノーツ プレミアムミラークローム

クランクケースカバー(両サイド)・キャブレター

  • ①タミヤLP-1ブラック
  • ②GSIクレオスSM208スーパージュラルミン

プラグ

  • ①タミヤLP-5セミグロスブラック
  • ②タミヤXー2ホワイト(エナメル)《中間の窪んだ部分》
  • ③GSIクレオスSM208スーパージュラルミン《下部のみ》

フレーム

  • ①タミヤ ファインサーフェイサー(ライトグレー)
  • ②タミヤTSー14ブラック
  • ③GSIクレオスMr.スーパークリア半光沢

ホイール

  • ①Mr.メタルプライマー
  • ②タミヤTSー14ブラック
  • ③GSIクレオスSM208スーパージュラルミン
  • ④タミヤXー18セミグロスブラック(エナメル)《前ホイールリング外側》

まとめ

今回はナガノという今は無きプラモデルメーカーのキットで カワサキ750RS(ZⅡ)の製作(その1)をお送りしました。

記事の冒頭でも触れましたが、オートバイシリーズは種類も多くて、カワサキだと他に750SS、500SS、Z400FXなど、ホンダはCB750FORE、XL(MOTOCROSSと表記)、滅多に見ないですけどGL1000など珍しい車種もラインナップにあって、正に和製プロターではないかと思ったりしています。

とはいってもプロターのように「まともに組めない」ことはなく、古いキットでしたが今回までのところは問題なく進めてこれました。

次回はリヤの足回りから始めていきますので、お楽しみに!

今日もご覧いただき、ありがとうございました。

ではまた・・・

次回記事:Kawasaki 750RS(その2)

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