リアルプロダクション第2弾 ホンダRC166 -1
只今からリアルプロダクションの第2弾ということで、タミヤの1/12スケールホンダRC166を作っていきたいと思います。
第1弾ではホンダNSR500の製作を行い製作過程を詳細にまとめたものをご紹介いたしましたが、大変ご好評をいただきましたので調子に乗って第2弾を計画、実行に移しました。
このキットもタミヤさんらしく精巧な出来栄えを割と簡単に味わえる内容となっています。
このRC166は1964年にイタリアGPでデビューした世界初の6気筒250㏄マシンRC165の発展型で、1966年マン島イギリスGPより参戦し、この年RC165と合わせて10戦11勝という圧倒的な強さで250㏄クラスを制覇した驚異のマシンなのですね。
で、本稿ではこの年のマン島TTレースでマイク・ヘイルウッドが乗車したゼッケン16番を作ります。
それでは早速始めていきたいと思います。
1-1.エンジンの組立て
①シリンダーブロックの組立て
先ずはシリンダーブロックを組立てます。細長いパーツを空冷エンジン特有のフィンを1段づつ重ねて組んでいくタイプです。
パーツ№.E41とE49を除いて全て組立て、グロスブラック ⇒ アルミシルバーの順で塗装します。
パーツ№.E41はコッパーで、E49はチタンゴールドとレッドブラウンを4:1で混合(※)して塗装し、各々所定の位置に取り付けます。
※この色はこの後も使うので小瓶などに纏めて用意しておくと便利です。
②クランクケースの組立て
クランクケースはパーツ№.E10、E12、E13、E31とE9を組み上げ、チタンゴールド+レッドブラウン(4:1)を塗装し、両サイドのカバー(E9)のボルト部分にエナメルのシルバーを載せる感じで塗ります。
パーツ№.E21とE30をそれぞれグロスブラック⇒スーパージュラルミンで塗装し、E30はその上に墨入れブラックをサッと塗り、乾燥したらE21と接着してからケース本体に取り付けます。
パーツ№.E44とE55をポリキャップを挟んで接着、パーツ№.E46、E50、E56、E59と共にお馴染みのチタンゴールド+レッドブラウン(4:1)で塗装して本体に取り付けます。
パーツ№.E11とE58はグロスブラック⇒アルミシルバーの順で塗装、パーツ№.E45はチタンゴールドで塗装し各々取り付けます。
全てのパーツを取り付けたら、艶消しのクリアを軽く吹いて乾燥したら、パーツ№.E46、E50のボルト部分にエナメルのシルバーを差しておきます。
1-2.シリンダーヘッド・キャブレターの組立て
①シリンダーヘッド・オイルパンの組立て
シリンダーヘッドを組み立てます。パーツ№.E27~E29、E32、E38、E39を組み立てます。
向きがあるので注意します。
つづけてパーツ№.E16、E17、E36、E37を取り付け塗装します。
グロスブラック⇒アルミシルバーの順で塗装しておきます。
パーツ№.E14、E15とE20はチタンゴールド+レッドブラウン(4:1)で塗装してからシリンダーのヘッド部分に取り付け、半光沢のクリアを吹いて乾燥したら乾燥したらカムカバーのボルト部分にエナメルのシルバーを差します。
パーツ№.E40、E47、E51、E57オイルパンは組み立ててからチタンゴールド+レッドブラウン(4:1)で塗装し、半光沢のクリアを吹いて乾燥したらオイルポンプの先端部分と各ボルト部分にエナメルのシルバーを差します。
シリンダーヘッドとオイルパンを前項で組立てたエンジン本体に取り付けます。
②キャブレターの組立て
キャブレターはパーツが細かいうえに搭載する位置も決まっているので説明書をよく見て間違えないようにしましょう。
塗装も可能な限り組立ててからやりたいところですが、塗分けが細かいので面倒ですが一つ一つ塗っていきます。
パーツ№.E2~E7をライナーから外さずにフラットアースで塗装し、艶消しのクリヤーを軽く吹いておきます。パーツ№.E48は切り出して同様の塗装をしておきます。
乾いたらライナーから切り出してエアベントジョイント部、エンジン側のジョイント部をエナメルのフラットブラックで筆塗します。
パーツ№.E61エアファンネルは切り出してから接着面を両面テープで厚紙などに張り付けて塗装します。
細かいので失くさないように注意します。
ホワイトとフラットイエローを1:1で混ぜ全体に塗装します。乾いたら半光沢クリヤーを軽く吹いておき、最後に墨入れブラックを筆でササっと塗っておきます。
パーツ№.E8とE42はグロスブラックで塗装し、その上からシルバーで塗装します。
以上が完了したら各パーツを組立てエンジン本体に取り付けます。
つづいてプラグの塗装をします。こちらも細かい部品なので切り出した後はなくさないように注意します。
パーツ№.E1をライナーから外さずにセミグロスブラックで塗装します。
次にエンジン側をシルバーで塗装します。シルバーは多少はみ出してもこの後の工程でカバーできるのでラッカー系の塗料を使って塗装します。
乾いたら中間部分にエナメルのホワイトを差すように塗り、ライナーから切り出してビニールパイプを挿入しエンジン本体に取り付けます。
ビニールパイプは1~6番ごとに決まった長さがあるので注意します。
本項最後はクラッチ部の組み立てです。
パーツ№.E53クラッチ板をチタンゴールド+レッドブラウン(4:1)で塗装します。
パーツ№.E52とE54クラッチカバーはブラックで塗装したあとシルバーで塗装し、半光沢クリヤーを吹いておきます。
乾いたら墨入れブラックをサッと塗って、エンジン本体に取り付けます。
本項は以上になります。
1-3.フレームの組立て
①フレームの組立て
フレームの組み立てはパーツ№.B8にB5を取り付けパーツ№.B1、B10と共にパーツ№.B3とB9で挟むように組み立てます。
つづいてパーツ№.B7とB11を取り付けたら全体をグロスブラックで塗装します。
次はパーツ№.B6イグニッションコイルをフラットアースで塗装し、艶消しのクリヤーを吹いて乾いたら両端の突起部分にエナメルのシルバーを塗ります。
イグニッションコイルとパーツ№.J4、J7、J8をフレーム本体に取り付けます。
パーツ№.J4、J7、J8はゴムパーツで塗装はしません。
ステップは金属パーツになっているのでエンドの部分のみセミグロスブラックで塗装します。
金属パーツだと塗装が剝がれやすいので塗装する部分にプライマーを塗るか、#1000位のペーパーを軽く当ててから塗るようにします。
ギヤーシフトはグロスブラックで塗装してからシルバーを塗装し、M1.2×6の黒ビスでステップと合わせてフレームに取り付けます。
②エンジンのマウント
今度はエンジンをフレームにマウントします。左側をM1.2×6、右側をM1.2×4の黒ビスで固定します。
エンジンをマウントしたらプラグコードをイグニッションコイルに接続します。
A~Fまでを説明書をよく見ながら間違えないように繋ぎます。
以上で、エンジンのマウントまで完了しました。
1-4.主なパーツの塗装レシピ(第1回)
主なパーツに使用したカラーを塗装した順番で記載しています。
1)シリンダーブロック
- ①タミヤ TSー14ブラック
- ②タミヤ TSー17アルミシルバー
2)クランクケース
- ①タミヤ Xー31チタンゴールド+X-64レッドブラウン(4:1で混合)
- ②GSIクレオス 半光沢クリヤー
- ③ガイアノーツ ピンポイントシルバー《ボルト部分》
3)シリンダーヘッド・オイルパン
- ①タミヤXー31チタンゴールド + X-64レッドブラウン(4:1で混合)
- ②GSIクレオス半光沢クリヤー
- ③ガイアノーツ ピンポイントシルバー《ボルト部分》
4)キャブレター
- ①タミヤXFー52フラットアース
- ②GSIクレオス艶消しクリヤー
- ③タミヤXFー1フラットブラック(エナメル)
5)エアファンネル
- ①タミヤXー2ホワイト + XF-3フラットイエロー(1:1で混合)
- ②GSIクレオス半光沢クリヤー
- ③タミヤ墨入れブラック(筆塗り)
6)プラグ
- ①タミヤLP-5セミグロスブラック
- ②GSIクレオスSM208スーパージュラルミン
- ③タミヤXー2ホワイト(エナメル)
7)クラッチ板
- ①タミヤXー31チタンゴールド + X-64レッドブラウン(4:1で混合)
8)クラッチカバー
- ①タミヤLP-1ブラック
- ②タミヤLP-70アルミシルバー
- ③GSIクレオス半光沢クリヤー
- ④タミヤ墨入れブラック(筆塗り)
9)フレーム
- ①タミヤTSー14ブラック
10)イグニッションコイル
- ①タミヤXFー52フラットアース
- ②GSIクレオス艶消しクリヤー
1-5.今回のポイント
第1回目はエンジンをメインに作ってきましたが、細かいパーツが多く塗り分けが必要なところが多くありました。
塗り分けに関してはパーツが分かれている場合は、別々に塗装してからくっつければ難しくありませんが、一つのパーツを塗り分ける場合はマスキングをしたり、筆で塗り分けるようになります。
今回のケースで言うとプラグの塗り分けは、キャップ側がブラック、中間がホワイト、エンジン側がシルバーとなっていてしかも細かいパーツでした。
この場合は最初にブラックを全体に塗ります。細かいパーツなんでわざわざエアブラシを使わずとも筆塗りで十分だと思いますが、使う塗料はラッカー系かアクリル系にします。
次にエンジン側をシルバーに塗りますが、これもラッカー系かアクリル系の塗料を使います。
この時は白で塗る部分にはみ出してしまっても構わないので筆を使って塗っていきます。
最後は中間部分のホワイトですがエナメルの塗料を使います。失敗してもエナメル溶剤で簡単に落とすことができ、伸びが良いので細かい塗り分けには重宝します。
ちょうどこのホワイトで塗る部分はパーツの両サイドより細身になっているので、この中間辺りに細身の筆で塗料をのせるようにすると、細身の部分を流れるように伝って太くなっている所で体よく止まってくれて綺麗に塗り分けられます。
ボルトの部分なんかもエナメル塗料を使うと綺麗に仕上がると思います。何しろ失敗しても溶剤で簡単に落とせるのでやり直しが容易にできます。
但し、下地がエナメル塗料の場合はNGです。
また、アクリル塗料の場合でもシルバーなど色落ちしやすい色の場合は一緒に落としてしまうことがありますので、クリヤーで一旦コートしてから塗るようにします。
以上が、塗り分けについてでした。
その他、同じ色に塗るパーツは出来るだけ組み立ててから塗るようにするのと、細かいパーツは厚紙なんかに接着面を両面テープでとめると塗装しやすいです。
こんなところでしょうか。
つづいてはリヤホイールの組立てからになりますが、今回はここまでとさせて頂き、つづきはその2ということで書いていきたいと思います。
それではありがとうございました。
次回もお楽しみに